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昔話 分福茶釜 に学ぶ まとめ

600【昔話】73分福茶釜




この記事は東光寺(静岡市清水区横砂)のみんなの坐禅会(子供坐禅会)と臨済宗青年僧の会で開催しているオンライン坐禅会(子供坐禅会)を同時開催で私が話した内容をまとめたものです。

※東光寺(静岡市清水区横砂)のみんなの坐禅会(子供坐禅会)についてはこちらをご覧ください。
※臨済宗青年僧の会 オンライン坐禅会についてはこちらをご覧ください。




昔話「分福茶釜」に学ぶ

画像をクリックすると、詳しい内容をご覧いただけます。



その1 執着の怖さ
600仏教豆知識シール 420-431 昔話シリーズ 分福茶釜1




その2 【百回の説明と一回の体験】
600仏教豆知識シール 420-431 昔話シリーズ 分福茶釜2



その3 「受け入れる」心
600仏教豆知識シール 420-431 昔話シリーズ 分福茶釜3



その4 一呼吸(間)の大切さ
600仏教豆知識シール 420-431 昔話シリーズ 分福茶釜4



その5 布施・床座施(しょうざせ)
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その6 任せきる
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その7 おかげさま(報恩)
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その8 ここが極楽
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その9 大切だから涙が出る
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その10 供養せずにはいられない
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その11 茶釜を供養する
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その12 あふれだすお湯
600仏教豆知識シール 420-431 昔話シリーズ 分福茶釜12



特別編 瓊瑶世界(けいようせかい)
600オンライン坐禅会 法話 一般向け 瓊瑶世界 20230330

昔話に学ぶ 分福茶釜 特別編 【瓊瑶世界(けいようせかい)】

この記事は東光寺(静岡市清水区横砂)のみんなの坐禅会(子供坐禅会)と臨済宗青年僧の会で開催しているオンライン坐禅会(子供坐禅会)を同時開催で私が話した内容をまとめたものです。

※東光寺(静岡市清水区横砂)のみんなの坐禅会(子供坐禅会)についてはこちらをご覧ください。
※臨済宗青年僧の会 オンライン坐禅会についてはこちらをご覧ください。




昔話に学ぶ 分福茶釜 特別編 【瓊瑶世界(けいようせかい)】



600オンライン坐禅会 法話 一般向け 瓊瑶世界 20230330



分福茶釜シリーズ 特別編です。


これまで、昔話の分福茶釜を紹介しながら、その中にある仏教の教えや禅の教えを紹介してきました。
今回は特別編です。




令和5年・2023年春休みの子供坐禅会で昔話・分福茶釜を紹介しました。


この毎日開催した子供坐禅会の途中には、一般向けの坐禅会も担当をしました。

その一般向けに紹介した話です。



昔話には先人達の「大切なことを伝えたい」という気持ちが込められているように感じます。

言葉が難しくなってしまうので、小学生が参加してくれる子供坐禅会では紹介しませんでしたが・・・

私は、分福茶釜が瓊瑶世界【けいようせかい】を伝えてくれていると感じます。


今回、私は分福茶釜を紹介するに当たり改めて物語を読むまで「茶釜に化けたタヌキが芸をする話し」としか思っていませんでした。

でも、調べてみると分福茶釜はとても深い話であり、学ぶべきことが非常に多い奥深い物語でした。




分福茶釜は様々な結末があり、どの結末が正しいということはありません。

荒っぽくあらすじを紹介しますと


和尚が茶釜を手に入れる

不気味な茶釜だと感じる

茶釜をくず屋(リサイクルショップ)に渡す

分福茶釜こと、たぬきが化けた茶釜とくず屋が協力をして大儲け

分福茶釜引退

と言うものです。


しかし、私は「たぬきが化けた茶釜と、くず屋が協力をして大儲け」という部分に瓊瑶世界【けいようせかい】を感じます。


瓊も瑶も、それぞれ「美しい玉」を意味する言葉です。


瓊瑶世界【けいようせかい】とは


「瓊」「瑶」の二つの美しい玉が、お互いを照らし合い、さらに輝きを増して美しい世界が広がる。


という意味です。


2人の仏が互いを照らし合って輝きを増していく


とも理解することができる言葉です。


余談ですが・・・

 1643年に日本を訪れた朝鮮通信使の朴安期は、「瓊瑶世界」という書を静岡市清水区興津にある清見寺に残しました。この言葉は現在でも鐘楼に掛けられています。

 当時「瓊瑶世界」の二つの美しい玉とは、日本と朝鮮の二つの国を示したと考えることができます。異なる文化を持ち言葉は通じなくても、相手を照らし続けることが大切であるということ。お互いの信頼と真心が、美しく輝く平和な世界を築くことができると伝えてくれていると感じます。



分福茶釜は「たぬきが化けた茶釜と、くず屋が協力をして大儲け」という部分だけが印象に残っているかもしれません。

しかし、それは本質的な部分ではありません。


分福茶釜は仏と仏が拝み合っている物語です。

1人目の仏は分福茶釜。分福茶釜は茶釜に化けたタヌキです。

何か(人間や犬)に追いかけられて、慌てて茶釜に化けたのです。しかし、大きな恐怖に襲われながら化けたので元の姿に戻れなくなってしまい、辛い人生を送っていたタヌキなのです。

しかし、ひょんなことから”くず屋の男”と出会い、茶釜のお化けのような姿でも受け入れてもらえたことから、自分の運命や姿を受け入れることができたのです。

そして、自分の運命を受け入れて茶釜のくっついたタヌキとして生きていくだけでなく、その姿で多くの人を楽しませたのです。

過酷な運命を受け入れ、そして周囲を楽しませ、くず屋の男を救い、そして最後は茶釜の姿で亡くなっていく。それでも「自分は幸せだ」と伝えるのです。

まさに、仏の姿であります。


また、くず屋の男も尊い心を持っています。

こまったタヌキを差別することなく受入れ、お腹が空いていることを知れば自分の食事を施し、寝る場所を提供します。さらに、見世物小屋が成功しても、稼いだお金をタヌキが元に戻るための研究に使うのです。

まさに、仏の姿です。



この2人が、力を合わせて懸命に生きていく物語が「昔話・分福茶釜」なのです。


2人の仏が、互いを照らすからこそ、その姿を見ようと多くの人が見世物小屋に集まってきたのです。


そして、その2人の物語が、読んだ人の心も照らしていく。

まさに、美しい玉がお互いを照らし、照らされた光以上の光を出すことで、互いがさらに光っていく。

そして、その光は周囲の世界までも照らしていくという瓊瑶世界【けいようせかい】そのものです。



しかし、大切なことは分福茶釜だけが素晴らしいということではありません。


瓊瑶世界【けいようせかい】という世界は分福茶釜などの物語の中だけにあるのではありません。


今、ここにあるのです。

私達には合掌と言う習慣があります。

拝むときに手を合わせます。

その姿は、まさに仏です。

お互いが、本当に相手のことを思って手を合わせる姿は尊いものです。

その尊い姿は確実に周囲を照らしていきます。

これこそが瓊瑶世界【けいようせかい】の世界です。


分福茶釜を見たときに瓊瑶世界【けいようせかい】というお互いが拝み合う尊い世界があることを思い出していただきたいと願っています。

後悔しないお葬⑳ 四華花

気づいてますか?お葬式のときに飾る、ワシャワシャしてる不思議な物



600インスタ用 お葬式20 四華花1


【インスタで学ぶ、後悔しないお葬式⑳ 四華花】

見たことはある。でも名前は分からない。
もしかしたら、見ているけど記憶に残っていない人も多いかもしれません。

前々回の塔婆(とうば)や前回の位牌(いはい)は、存在を確認し名前も分かっていたかもしれません。
今回の四華花(しかばな)は、名前や見た記憶がある人も減っているかもしれません。
しかし、お葬式の際には準備をしています。
それは、塔婆や位牌と同様に”込められた思い”があったからです。
その”思い”や意味を知ってみませんか。




※ここで紹介している内容は東光寺(臨済宗妙心寺派)で行っているお葬式についてのお話です。宗派や地域によって違いがあることを御了承ください。


毎週土曜曜日にインスタ(Instagram・インスタグラム)を更新し、その内容をブログにも掲載しています。





Instagram(インスタ・インスタグラム)はこちらです
※これまでの記事はこちらです。




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600インスタ用 お葬式20 四華花5
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今回は「しかばな」を紹介したいですね。



あ~、「しかばな」ね。あの、紙でできたしているワシャワシャやつだよね。



なんと!! ワシャワシャ!
四つの華と書いて四華(しか)と言うこともある、大切なものを「ワシャワシャしているやつ」とは・・・



テヘ 



四華花(しかばな)と呼んでいる、あのワシャワシャしたものは何を表しているか知っていますか?



もちろん知っておりますよ~
お釈迦様が亡くなったときに近くにあった沙羅双樹(さらそうじゅ)でしょ!



大正解です!!



エッへン



四華花も大きく分けると白いものと金銀の2種類があるんだよね。
静岡でも、用意をする葬儀社さんや希望するお寺によって用意される四華花の色が違うけど、由来は同じなんだ。



うんうん



どちらの色もお釈迦様が亡くなられた際に沙羅双樹の木が花を咲かせて枯れたことに由来をしているんだ。
お釈迦様が亡くなられたときの様子を描いた涅槃図には8本の沙羅樹の内4本は枯れて、4本は青々としていて、これを金と銀の紙で表したのが金銀の四華花で、枯れて白くなったことを表しているのが白い紙で作られた四華花だよね。



うんうん



だから、お葬式のときには亡くなられた方を表すお位牌の両脇に飾るんだよね。



お釈迦さまと同じことをしたいんだよね。毎回毎回おんなじ落としどころだね(笑)



確かに。
大切な人が誕生日を迎えたら、ケーキを用意したい、ご馳走を用意したい、プレゼントを渡したい。
同じ思いをいろんな形にするよね。それと同じで、亡くなった方を大切に思う心が様々な形になって今でも残っているんだよね。



うんうん。

昔話に学ぶ 分福茶釜 その12 あふれだすお湯

この記事は東光寺(静岡市清水区横砂)のみんなの坐禅会(子供坐禅会)と臨済宗青年僧の会で開催しているオンライン坐禅会(子供坐禅会)を同時開催で私が話した内容をまとめたものです。

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昔話に学ぶ 分福茶釜 その12 あふれだすお湯



600【昔話】79分福茶釜





分福茶釜シリーズその12です。



これまで、昔話の分福茶釜を紹介しながら、その中にある仏教の教えや禅の教えを紹介してきました。


今回は最後の話しです。


実は、これまで紹介してきた分福茶釜は一般的に知られているお話でしたが、このお話の元になったお寺があります。


それは、現在の群馬県にある茂林寺というお寺なんです。


「え、しゃべる茶釜を気味悪がってくず屋にあげちゃった和尚さんが本当にいたんですか?」


と、思うかもしれませんが・・・


残念ながらそうではありません。



実際に”ある茶釜”が祀られているお寺なんです。


その茶釜をヒントにして、これまで紹介してきた昔話が誕生したのかもしれません。


では、どんな茶釜なのでしょうか。


お寺に伝わる話によると・・・


そのお寺の一番最初の和尚様といっしょに働いていた男がいたそうです。


その男はお寺の代々の住職に仕えました。


やがて、七代目の和尚様が茂林寺で千人が集まるお茶会を開催したそうです。


大勢の来客があるので大量の湯釜が必要となります。


その時、お寺を手伝ってきた男が、どこからか一つの茶釜を持ってきて、茶室に置いたそうです。


そして、なんと、この茶釜は不思議なことにいくら湯を汲んでも尽きることがなかったのです。


男はこの茶釜を、



福を分け与える「紫金銅分福茶釜」と名付け、この茶釜の湯で喉を潤す者は、開運出世・寿命長久等、八つの功徳に授かると言ったそうです。



男はその後もお寺を支え続けましたが、最初の和尚様がお寺に入ってから160年が経ったころ、お世話になった人々に源平屋島の合戦と釈迦の説法の二場面を再現して見せいなくなったそうです。


 後になってこのことが、明治・大正期の作家によってお伽噺「文福茶釜」として出版され、茶釜から顔や手足を出して綱渡りする狸の姿が、広く世に知られる事になったそうです。




原作とこれまで紹介してきた昔話に少し違いはありますが、原作も大切なことを教えてくれています。


分福茶釜の由来は千⼈が集まったとき、⼀昼夜汲み続けても釜の湯はなくならなかった茶釜です。


これは、何を伝えようとしているのでしょうか。


当然、そんな不思議な茶釜があることを伝えようとしているのではありません。


お湯が何かを示しています。


お湯は身体の内側から私達を温めてくれます。


私達を内側から温めてくれるものとはなんでしょうか。


それは心です。


普段から坐禅会でお唱えしている「白隠禅師坐禅和讃」は


衆生本来仏なり(しゅじょう ほんらい ほとけなり)


と始まります。


誰にでも 本当は 素晴らしい心がある


という禅の教えです。




その素晴らしい心は、どんなに使っても決して減ることはありません。

「心がすり減っていく」と感じることがあるかもしれません。

「心が辛くて立ち上がれない」と感じることがあるかもしれません。

そんなときは、ゆっくりと休んでみてください。

心は少し回復しませんか。

ゆったりと 身体と呼吸を調えると心は回復しませんか。

誰もが素晴らしい心を持っています。

茶釜のお湯を使っても、そのお湯が枯れることがなかったように、私達がもっている素晴らしい心も誰かのために枯れることはありません。

そのことを、茶釜は伝えてくれているのです。



分福茶釜の話を聞いたときには、これまで紹介してきたことと一緒に


「私達は誰もが素晴らしい心を持っていて、その心を誰かのために使っても枯れることはない」


ということを思い出して、たくさん、その心を使ってみてください。


そして、心が疲れたと感じたら、今日の坐禅と同じように背中を伸ばして身体をまっすぐにして、ゆっくりと呼吸をしてみてください。



そうすると、枯れることがない素晴らしい心が自分の中にあることを実感できるはずです。



600仏教豆知識シール 420-431 昔話シリーズ 分福茶釜12

寺嫁まめこのひとこと通信 VOL.43 【お経  その4 三帰戒(さんきかい)】

お寺のことや仏教のことをもっと身近に!
そんなことをまずは自分で感じてみよう~、と思いながら書いている寺嫁のつぶやき。
『寺嫁まめこのひとこと通信』



 結婚するまで(結婚後もしばらく)お寺で生活をしたことがなかった妻が、実際にお寺で体験し学んだことを伝えるために不定期で檀信徒の皆様に発行している「お便り」である、寺嫁まめこのひとこと通信 がいろいろあって、改装されました。


今回の題名は

自分の中に三つのタカラモノを持つ!


です。


これまで、様々なテーマを決めて”通信”を作ってきたようですが、今年はお経について勉強をするために、いろいろ調べていくようです。


今回は三帰戒(さんきかい)を取り上げています。

短いお経ですが、大切なことを伝え、意識していくことが大切な教えです。




僧侶とは違う目線でお経について勉強して、少しでも多くの方に伝えようとしています。

もし、よろしければご一読ください。


600寺嫁まめこのひとこと通信043



※写真をクリックすると、大きな図で表示されます。
※PDFファイルでご覧いただける環境の方はこちらをクリックしてください。
※妻のブログでもご覧いただくことができます。



 東光寺(静岡市清水区横砂)では少しでもお寺のことや仏教のことを多く方に知っていただきたいと、


東光寺ホームページ

・ブログ(新米和尚の仏教とお寺紹介寺嫁がみつけたゴキゲンの種)、

・お便り、本山関係の冊子、

・法話




など様々な方法で紹介をさせていただいています。


その中の1つに寺嫁まめこのひとこと通信があります。 


発行依頼、東光寺から配布されるものの中で最も「楽しみにしています」と言われるのが、この「寺嫁まめこのひとこと通信」です。


※過去の「寺嫁まめこのひとこと通信」はこちらでご覧になれます。

※新しくなってからの「寺嫁まめこのひとこと通信」はこちらでご覧になれます。


御興味のある方はぜひ御一読ください。
人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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