おばあちゃん の おはぎ

おばあちゃん が作ってくれる「おはぎ」が大好きな女の子がいた。
お彼岸になると、いつも おばあちゃん は「おはぎ」を作ってくれた。
女の子は いつも
「おいしいね!」
といって「おはぎ」を食べた。
やがて女の子は成長し、離れた町に住む男性と結婚し、子供が産まれ、母となった。
母となった女性は「おはぎ」を子供に作った。
おいしい「おはぎ」ではあったが、おばあちゃんの「おはぎ」とは何かが違った・・・
違いは気になっていたが、子供が「おいしい!」と言ってくれるので特に深く考えていなかった。
ある日、女性は
「 おばあちゃん が病気になって、長くは生きられない」
と実家の母にに聞かされた。
おばあちゃん が病気だと知ってから初めてのお彼岸の季節に女性は「おはぎ」を作った。
やはり何かが違う・・・
女性は実家の母に 「 おばあちゃんの おはぎ と私の おはぎ は何かが違う」 と相談した。
実家の母は おばあちゃん に「おはぎ」の作り方を聞いた。
おばあちゃんは 病気のために心身ともに大変なときであったが、一生懸命作り方実家の母に伝えた。
女性は実家の母に作り方を教わり、一生懸命「おはぎ」を作った。
完成した「おはぎ」は小さい頃から食べてきた「おばあちゃんのおはぎ」だった。
女性が「おばあちゃんのおはぎ」を作った翌朝 おばあちゃん は亡くなった。
悲しかった
悲しかったが、女性は自分が作った「おばあちゃんのおはぎ」を見たとき、「おはぎ」の中に おばあちゃん を感じた。
おばあちゃん との繋がりを感じた。
女性、実家の母、おばあちゃん、それぞれがお互いを想い合うからこそ伝わり・つながった「おはぎ」。
これからも、おばあちゃんを想い「おはぎ」を作れば、その中におばあちゃんの命が吹き込まれる。
「おはぎ」の中に おばあちゃんの命 が入ってくる。
そう感じたとき、女性は自然と子供と一緒に「おはぎ」を作りたいと考えていた。
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