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おばあちゃん の おはぎ 

500おはぎが繋ぐ命



 おばあちゃん が作ってくれる「おはぎ」が大好きな女の子がいた。



 お彼岸になると、いつも おばあちゃん は「おはぎ」を作ってくれた。



 女の子は いつも



 「おいしいね!」



 といって「おはぎ」を食べた。








 やがて女の子は成長し、離れた町に住む男性と結婚し、子供が産まれ、母となった。




 母となった女性は「おはぎ」を子供に作った。




 おいしい「おはぎ」ではあったが、おばあちゃんの「おはぎ」とは何かが違った・・・




 違いは気になっていたが、子供が「おいしい!」と言ってくれるので特に深く考えていなかった。









 ある日、女性は



「 おばあちゃん が病気になって、長くは生きられない」



と実家の母にに聞かされた。




 おばあちゃん が病気だと知ってから初めてのお彼岸の季節に女性は「おはぎ」を作った。




 やはり何かが違う・・・



 女性は実家の母に 「 おばあちゃんの おはぎ と私の おはぎ は何かが違う」 と相談した。


 実家の母は おばあちゃん に「おはぎ」の作り方を聞いた。



 おばあちゃんは 病気のために心身ともに大変なときであったが、一生懸命作り方実家の母に伝えた。




 女性は実家の母に作り方を教わり、一生懸命「おはぎ」を作った。


 完成した「おはぎ」は小さい頃から食べてきた「おばあちゃんのおはぎ」だった。






 女性が「おばあちゃんのおはぎ」を作った翌朝 おばあちゃん は亡くなった。


 悲しかった


 悲しかったが、女性は自分が作った「おばあちゃんのおはぎ」を見たとき、「おはぎ」の中に おばあちゃん を感じた。


 おばあちゃん との繋がりを感じた。



 女性、実家の母、おばあちゃん、それぞれがお互いを想い合うからこそ伝わり・つながった「おはぎ」。




 


 これからも、おばあちゃんを想い「おはぎ」を作れば、その中におばあちゃんの命が吹き込まれる。





「おはぎ」の中に おばあちゃんの命 が入ってくる。





 そう感じたとき、女性は自然と子供と一緒に「おはぎ」を作りたいと考えていた。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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