子供坐禅会 般若心経シリーズ その40 是大神呪
この記事は東光寺(静岡市清水区横砂)のみんなの坐禅会(子供坐禅会)と臨済宗青年僧の会で開催しているオンライン坐禅会(子供坐禅会)を同時開催で私が話した内容をまとめたものです。
※東光寺(静岡市清水区横砂)のみんなの坐禅会(子供坐禅会)についてはこちらをご覧ください。
※臨済宗青年僧の会 オンライン坐禅会についてはこちらをご覧ください。

私は子供の頃に友達とケンカをしたことがあります。
職員室で先生に「お互い謝れ」と言われて、お互いに「ごめんなさい。」と口に出しました。
しかし、それでケンカが終わるほど子供の世界は単純ではありません。
終わったと思って気持ちが落ち着いたのは指導した先生の気持ちだけです。
お互いに、お互いを嫌いになっているので長い間ケンカをしました。
1年が経ったある日、ケンカをしていた相手のおばあちゃんが亡くなりました。
私は家族と一緒にお参りに行きました。
お参りが終わると彼は玄関先で「ありがとう」と私に言ったのです。とても心のこもった“ありがとう”だと感じました。
しかし、少し照れくさかったので、この時は何も言わずに帰りました。
数日後に彼が学校で「今までごめんな」と声をかけました。
他人から見たら職員室での謝罪よりも軽く感じるかもしれない彼の言葉でしたが、心がこもっていました。 だからこそ、私も自然と「こっちもごめんな」と心の声が漏れたように感じます。
心をこめた言葉に力があります。
般若心経というお経の中に
是大神呪 【ぜだいじんしゅ】
という言葉が出てきます。
神呪という漢字を見ると「神の呪い!!?」と思うかもしれませんが。
しかし、そうではありません。
神聖で、霊力のある仏の真の言葉という意味です。
つまり、
「般若心経の言葉は、私たちを真実の世界に導いてくれる。般若心経の教えを信じ切って真言をお唱えすれば大きな功徳を得ることができる。」
ということを教えてくれる言葉です。
心を込めた言葉が相手を動かすように、心を込めてお唱えした般若心経は自分も、そして周囲の人にも必ず届くことを般若心経では是大神呪 【ぜだいじんしゅ】と表現しているのです。
では、どうしたら心を込めることができるのでしょうか。
その方法は1つではありません。
その中の1つが心を調えることです。
きれいに手入れがされている畑から素晴らしい作物ができ、しっかりと整った工場で作られる製品の品質が向上するように、
調った心から発せられる言葉に心がこもらないはずがありません。
生まれたときから持っている素晴らしい心を見つめ直し、調えていく実践が坐禅です。
身体を調え、呼吸を調えることで、心が調っていくことを実感するのが坐禅です。
さぁ、一緒に身体を調え、呼吸を調え、心を調えましょう。

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