「オンラインでもできる」から「オンラインだからできる」 その1
「オンラインでもできる」から「オンラインだからできる」 その1
臨済宗青年僧の会の機関紙「不二(ふに)」にオンライン坐禅会についての記事を書かせていただきました。
僧侶が読む機関紙ではありますが、少しでも多くの方に読んでいただきたいと考え、ブログで紹介をさせていただきます。少し長い文章になりますので3回に分けて紹介をさせていただきます。
その1 オンライン坐禅会とは
その2 分身ロボット
その3 「でも」から「だから」

その1 オンライン坐禅会とは
臨済宗青年僧の会では「オンライン坐禅会」を令和二年四月二十六日に始めました。
そして一日も休むことなく開催を続け、始めた頃は十人にも満たない参加者数が少しずつ増えていき、最大で百六十人を越えるまでになりました。
これまでに約千九百回開催し、十三万人以上の方が参加をされています。(令和四年十一月現在)
以前も不二で紹介をさせていただいた「オンライン坐禅会」ですが、今回の記事では百回以上坐禅会の直日を務めた四人の僧侶が二年半の活動を振り返ると共に、オンライン坐禅会の開催を通して感じた、これからのインターネットやオンラインと仏教・禅の関わり方について紹介をさせていただきます。
臨済宗青年僧の会が開催しているオンライン坐禅会とは禅僧が直日(修行道場の坐禅堂の取締)として坐禅会を開催し、一般の参加者が集まって坐禅をするものです。
これまでに臨済宗・黄檗宗だけでなく、曹洞宗の僧侶も直日を務めています。考え方としては臨済宗青年僧の会がインターネット上に坐禅をするための会場を設置・運営し、ここに坐禅を指導してくださる僧侶と坐禅をしたい一般の方が集まっていただくというのが臨済宗青年僧の会が主催するオンライン坐禅です。
きっかけはコロナウイルス感染拡大の影響です。臨済宗青年僧の会の総会や定例会を、Zoom アプリを用いて各人が自らの寺にいながらにして催すことになったことと、日本全国に緊急事態宣言が発出した日にマレーシア在住の日本人から臨済宗青年僧の会の事務局員である私のもとに一通のメールが届いたことが始まりです
その方は数年前に私が運営する寺子屋体験・子供坐禅会(一日かけてお寺の体験をする子供向けの行事)にお子様を参加させた方でした。マレーシアも外出禁止令が出ているため家に閉じこもっているときに、以前子供が坐禅会に参加したことを思い出し、生活リズムが崩れがちな子供と一緒に坐禅をしたいと考え、オンラインで坐禅を教えてくれないかとお話をいただきました。
そこで、さっそく Zoom アプリを使った子供坐禅会を開催しました。最終的には依頼者が友人達に声をかけ十二家族が参加してくださり、マレーシア、東京、静岡、アメリカの方々と坐禅を共にすることができました。この体験で、画面を通して空間を共有できる Zoom アプリでの坐禅会は大きく発展していく可能性を感じました。さらに、特別な機材を購入することなく、現在使用しているパソコンやスマートフォンなどの機器で十分に開催可能なのも魅力のひとつでした。
〜開催して感じたこと〜
オンライン坐禅会を始めると協力いただける和尚様が多くいること、そして参加してくださる一般の方が非常に多くいらっしゃることを実感しました。
一般参加者の中には「お寺の坐禅会に参加していたけれど、コロナで中止になったのでオンライン坐禅会に参加した」という方もいらっしゃいますが、 「お寺の坐禅会に参加したことはないけれど、オンラインなら参加できそうなので参加した」という方が非常に多くいらっしゃいました。
このことは、一般の方の中には今まで身近に坐禅会と出会う機会がなかっただけで、坐禅会・禅の教えを求めている方が多いことを示しています。今まで私はそのような期待に応えきれていなかったということを肌で感じ、インターネットを活用した坐禅会だけでなく様々な形での布教の形を模索し始めるきっかけになりました。
今後は、 「オンライン坐禅会」という坐禅や禅の教えに一般の方が触れる機会や場所を提供できる状態を継続すること、そしてこの取り組みを多くの方に知ってもらうことが大切だと考えています。
さらに、オンライン坐禅会には多くの可能性があると感じています。私はオンラインとオフラインの融合に魅力を感じています。 「オンライン」にだけこだわるのではなく、「オフライン」 (従来の坐禅会)をオンラインで結び、お寺での坐禅会に参加できる方はお寺へ、お寺には行けないけれど坐禅会に参加したい方はオンラインで一緒に坐禅ができる会も考えています。
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臨済宗青年僧の会の機関紙「不二(ふに)」にオンライン坐禅会についての記事を書かせていただきました。
僧侶が読む機関紙ではありますが、少しでも多くの方に読んでいただきたいと考え、ブログで紹介をさせていただきます。少し長い文章になりますので3回に分けて紹介をさせていただきます。
その1 オンライン坐禅会とは
その2 分身ロボット
その3 「でも」から「だから」

その1 オンライン坐禅会とは
臨済宗青年僧の会では「オンライン坐禅会」を令和二年四月二十六日に始めました。
そして一日も休むことなく開催を続け、始めた頃は十人にも満たない参加者数が少しずつ増えていき、最大で百六十人を越えるまでになりました。
これまでに約千九百回開催し、十三万人以上の方が参加をされています。(令和四年十一月現在)
以前も不二で紹介をさせていただいた「オンライン坐禅会」ですが、今回の記事では百回以上坐禅会の直日を務めた四人の僧侶が二年半の活動を振り返ると共に、オンライン坐禅会の開催を通して感じた、これからのインターネットやオンラインと仏教・禅の関わり方について紹介をさせていただきます。
臨済宗青年僧の会が開催しているオンライン坐禅会とは禅僧が直日(修行道場の坐禅堂の取締)として坐禅会を開催し、一般の参加者が集まって坐禅をするものです。
これまでに臨済宗・黄檗宗だけでなく、曹洞宗の僧侶も直日を務めています。考え方としては臨済宗青年僧の会がインターネット上に坐禅をするための会場を設置・運営し、ここに坐禅を指導してくださる僧侶と坐禅をしたい一般の方が集まっていただくというのが臨済宗青年僧の会が主催するオンライン坐禅です。
きっかけはコロナウイルス感染拡大の影響です。臨済宗青年僧の会の総会や定例会を、Zoom アプリを用いて各人が自らの寺にいながらにして催すことになったことと、日本全国に緊急事態宣言が発出した日にマレーシア在住の日本人から臨済宗青年僧の会の事務局員である私のもとに一通のメールが届いたことが始まりです
その方は数年前に私が運営する寺子屋体験・子供坐禅会(一日かけてお寺の体験をする子供向けの行事)にお子様を参加させた方でした。マレーシアも外出禁止令が出ているため家に閉じこもっているときに、以前子供が坐禅会に参加したことを思い出し、生活リズムが崩れがちな子供と一緒に坐禅をしたいと考え、オンラインで坐禅を教えてくれないかとお話をいただきました。
そこで、さっそく Zoom アプリを使った子供坐禅会を開催しました。最終的には依頼者が友人達に声をかけ十二家族が参加してくださり、マレーシア、東京、静岡、アメリカの方々と坐禅を共にすることができました。この体験で、画面を通して空間を共有できる Zoom アプリでの坐禅会は大きく発展していく可能性を感じました。さらに、特別な機材を購入することなく、現在使用しているパソコンやスマートフォンなどの機器で十分に開催可能なのも魅力のひとつでした。
〜開催して感じたこと〜
オンライン坐禅会を始めると協力いただける和尚様が多くいること、そして参加してくださる一般の方が非常に多くいらっしゃることを実感しました。
一般参加者の中には「お寺の坐禅会に参加していたけれど、コロナで中止になったのでオンライン坐禅会に参加した」という方もいらっしゃいますが、 「お寺の坐禅会に参加したことはないけれど、オンラインなら参加できそうなので参加した」という方が非常に多くいらっしゃいました。
このことは、一般の方の中には今まで身近に坐禅会と出会う機会がなかっただけで、坐禅会・禅の教えを求めている方が多いことを示しています。今まで私はそのような期待に応えきれていなかったということを肌で感じ、インターネットを活用した坐禅会だけでなく様々な形での布教の形を模索し始めるきっかけになりました。
今後は、 「オンライン坐禅会」という坐禅や禅の教えに一般の方が触れる機会や場所を提供できる状態を継続すること、そしてこの取り組みを多くの方に知ってもらうことが大切だと考えています。
さらに、オンライン坐禅会には多くの可能性があると感じています。私はオンラインとオフラインの融合に魅力を感じています。 「オンライン」にだけこだわるのではなく、「オフライン」 (従来の坐禅会)をオンラインで結び、お寺での坐禅会に参加できる方はお寺へ、お寺には行けないけれど坐禅会に参加したい方はオンラインで一緒に坐禅ができる会も考えています。
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