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子供坐禅会 般若心経シリーズ その15 不垢不浄


この記事は東光寺(静岡市清水区横砂)のみんなの坐禅会(子供坐禅会)と臨済宗青年僧の会で開催しているオンライン坐禅会(子供坐禅会)を同時開催で私が話した内容をまとめたものです。

※東光寺(静岡市清水区横砂)のみんなの坐禅会(子供坐禅会)についてはこちらをご覧ください。
※臨済宗青年僧の会 オンライン坐禅会についてはこちらをご覧ください。




突然ですが問題です。

焼香って何のためにするのでしょうか?


600法話用 般若心経に学ぶ 不垢不浄1



意味は解らないけど、みんながやっているからなんとなくやっていませんか?

私は大人になるまでなんとなく焼香をしていました。





600法話用 般若心経に学ぶ 不垢不浄2

実は焼香には、良い香りをお供えするという意味と、その空間や自分自身を浄めるという意味があります。

焼香をすることで、自分自身を浄め、浄めた身体と心でお参りをしているのです。






では第2問


600法話用 般若心経に学ぶ 不垢不浄3


焼香の時に使うものを”お香”と言いますが、その中でもとっても貴重で高級なお香『龍涎香(りゅうぜんこう)』というものがあります。これは何からできているのでしょうか?

有名な香水の原料にもなる龍涎香(りゅうぜんこう)は、なんと・・・



600法話用 般若心経に学ぶ 不垢不浄4



クジラの排泄物からできています!!!


排泄物・・・


おしりから出る、あれです!


でも、うんちではありません。


おしりから出るけど、うんちではない?



まさか、おなら??


残念ながらおならでもありません。






マッコウクジラの腸内に発生する“石”なんです。


多くの生き物は食べたけど、消化しきれず、そしてうんちとしても出せなかったものが、お腹を内側から傷つけるのを防ぐために”石”のようにすることがあります。


マッコウクジラも、体の中で”石”のようなものを作り、それが大きくなるとうんちと一緒に排出をするのです。


その”石”のようなものは水よりも軽いため海の上をプカプカと浮かびます。


そのまま何年も何年も浮かび続けている間に発酵し、良い香りの成分を出すようになるそうで。


それが、龍涎香(りゅうぜんこう)


プカプカと浮かんでいた”石”がたまたま浜辺に打ち上げられたときにしか人間はこの龍涎香(りゅうぜんこう)を見つけることができません。


とても豊かな香りを出すそうですが、なかなか手に入れることができないので、自然と高級なものになるとのことです。




お参りの前に、身体と心を浄めるお香の中でも、貴重なお香がクジラの排泄物とは驚きませんか。


初めて知ったとき、私はかなり驚きました。


排泄物と聞くと汚いと感じる。しかし、高級なお香だと聞くと浄められるような気もする。


結局は自分の心が全てを決めているのです。



そのことを般若心経というお経は

不垢不浄 【ふく ふじょう】

(汚れることもなく、 清らかでもない)


と教えてくれています。


600法話用 般若心経に学ぶ 不垢不浄5




焼き鳥の缶詰に「猫のエサ」と書くと、人は食べません。

猫はどちらでもおいしく食べるでしょう。

頭で理解しようとすると、何かを間違えてしまうことがあるのです。

自分の持っている知識や経験に頼りすぎると、見えなくなってしまうことがあるのです。




全てのものは きれい・汚いを分けることはできない。

あなたが、汚いと思えば汚い。

あなたが美しいと思えば美しくなるのです。

あなたが見ているものは何も変わらない。

あなたの心が変わっているだけなんだ。




そのことを不垢不浄 【ふく ふじょう】という言葉で教えてくれているのです。



クジラの排泄物は汚いもの中、貴重なものなのか。


坐禅をして、身体と呼吸と心を調えていくと自然と答えが見えてきます。

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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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