子供坐禅会 般若心経シリーズ その13 是諸法空相
この記事は東光寺(静岡市清水区横砂)のみんなの坐禅会(子供坐禅会)と臨済宗青年僧の会で開催しているオンライン坐禅会(子供坐禅会)を同時開催で私が話した内容をまとめたものです。
※東光寺(静岡市清水区横砂)のみんなの坐禅会(子供坐禅会)についてはこちらをご覧ください。
※臨済宗青年僧の会 オンライン坐禅会についてはこちらをご覧ください。

「白雪姫」ってどんな話?
と聞かれて、
「カボチャの馬車!?」
と答えたら
「それはシンデレラ!」
と言われたことがあります。
白雪姫は「鏡の話」と言えば「あ~、あの話か!」となると思います。
簡単にまとめると
王様とお妃さまの間にかわいい白雪姫誕生。
しかし、お母さんであるお妃様は病気で亡くなる。
新しく来たお妃様は、自分が美しさしか考えていない。
新しいお妃様は魔法の鏡に「世界で一番美しいのは誰?」と聞いては、「世界中であなたが一番美しい」と答えてもらって喜んでいた。
しかし、白雪姫が美しいお姫様に成長すると、魔法の鏡の答えは変わる。
「世界で一番美しいのは誰?」と聞くと「白雪姫」と答えるようになる。
怒ったお妃様は白雪姫を殺すように家来に言う。
しかし家来は命令に背き、白雪姫をこっそり森の奥に逃がす。
白雪姫はそこで7人の小人(妖精)と楽しく過ごす。
白雪姫がいなくなって安心をした新しいお妃様は再び鏡に質問をする。
「世界で一番美しいのは誰?」
鏡は答える
「白雪姫」
魔法の鏡によって、白雪姫がまだ生きていることを知ったお妃様は白雪姫をだまして毒りんごを食べさせる。
白雪姫は倒れるが、王子様が助けて、その後幸せに暮らす。
と言う話です。
私は、この物語の中で素晴らしい心をもった登場人物がいるように感じています。
それが”魔法の鏡”です。
鏡は質問をしたお妃様に忖度することなく、素直に答えています。
権力を持ったものに質問をされれば忖度をした答えを出したくなるものです。
しかし、”魔法の鏡”は常に正直に答えます。
なぜでしょう?
とても簡単なことです。
”鏡”とはそういうものですから!
仏教の話の中にも”鏡”はよく出てきます。
鏡は全てをそのままに映します。
花を鏡の前に置けば、花を映します。
赤い花を黄色にかえることはありません。
小さな花を大きく見せることもありません。
仏教では忖度なく、ありのままに世界を映す鏡のような心を“仏心”や“仏様のような心”、“悟り”など様々な名前をつけて大切にしています。
そして、そのような心を誰もが持っていると言います。
般若心経の是諸法空相【ぜ しょう ほう くう そう】は、「すべての本質は空である」と教えてくれています。
前回までの記事でも紹介をしているように
※前回の記事はこちらです。
https://blog.tokozenji.net/blog-entry-3319.html
「空【くう】」とは、「かたよらず、こだわらず、とらわれない心」です。
全ての人が、この「かたよらず、こだわらず、とらわれない鏡のような心」を持っているのです。
だからこそ、私達は鏡のように世の中を見なくてはいけないのです。
もちろん簡単なことではありません。
鏡に汚れが付いたり、曇っていれば、ありのままに映すことはできません。
掃除をしなくてはいけません。
同じように心も掃除が必要です。
その、掃除方法の一つが坐禅です。
さぁ、身体と呼吸と心を調えて、本来持っている鏡のような心を大切にしていきましょう!!!

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