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子供坐禅会 般若心経シリーズ その12 受想行識亦復如是

この記事は東光寺(静岡市清水区横砂)のみんなの坐禅会(子供坐禅会)と臨済宗青年僧の会で開催しているオンライン坐禅会(子供坐禅会)を同時開催で私が話した内容をまとめたものです。

※東光寺(静岡市清水区横砂)のみんなの坐禅会(子供坐禅会)についてはこちらをご覧ください。
※臨済宗青年僧の会 オンライン坐禅会についてはこちらをご覧ください。





突然ですが、問題です。


 一休さんと言う名前の 和尚様がオレンジ色の服を着ています。この和尚様の 名前は何ですか?



600子供坐禅会 般若心経シリーズ その12 受想行識亦復如是



え、簡単すぎる??


そうですよね。


「一休さん」って言っているんだから、答えは「一休さん」ですよね。


オレンジ色の服でも、青色の服でも、黒色の服でも、何を着ても一休さんは、一休さんですよね。






なぜ、こんな問題を出したかと言いますと、一休さんの有名な話を紹介したいからです。




トンチで有名な一休さん(一休禅師)は禅宗の和尚さんです。


ある日、一休さんがお金持ちの家にお経を読んで欲しいと頼まれました。


約束の前日に、たまたまその家の前を通ったので、立ち寄ると一休さんの顔を知らない門番が、


「おい坊主、物がほしいなら裏から入れ」


と汚い恰好の一休さんを追い出そうとします。


「いやいや、この家の主人に呼ばれたのだ。」


と言っても門番は中に入れてくれませんでした。



翌日、紫の衣を身にまとい、弟子を連れて門前に立つと、昨日の門番も神妙に頭をさげて迎えています。


奥座敷に通された一休さんは、紫の衣を脱ぎすて


「この一休には、なんの価値もないから紫の衣に、お経を読んでもらったらよかろう~」


と言って衣を置いて帰ってしまいました。





こんなお話が残っているのです。



さっきの問題に多くの人が正解できたように、どんな服を着ていても中の人は変わらないことは多くの人が理解しています。


では、一休さんを追い返してしまった門番だけが特別におかしな人だったのでしょうか?


もちろん違います。


頭では「中身が大事」ということは理解しています。


しかし私達は、どうしても外見にとらわれて本質を見失ってしまうことが多くあるのです。


一休さんは衣を置いていくことで、そのことを伝えようとしてくれています。



般若心経には

受想行識亦復如是 【じゅそうぎょうしき やくぶにょぜ】

と言う言葉が出てきます。



「目に見える世界だけでなく、心で感じるものも全て「空」である」


という意味です。


600子供坐禅会 般若心経シリーズ その12 受想行識亦復如是2




前回の記事でも紹介したように「空」は

かたよらない心

こだわらない心

とらわれない心



と表現することができます。
※前回の記事はこちらをご覧ください。



かたよらず、こだわらず、とらわれない心に気がつくことができれば、どんな服を着ていても、一休さんを一休さんだと見ることができるのです。


もちろん、これは見た目だけの話ではありません。私たちは外見だけでなく、自分の感じていること、自分が考えていること、自分がやろうとしていること、それらにもとらわれてしまいがちです。





だからこそ、



「それじゃダメだよ!!」



と般若心経では受想行識亦復如是 【じゅそうぎょうしき やくぶにょぜ】と教えてくれています。




もちろん、簡単なことではありません。


しかし、そのような素晴らしい心を誰もが持っているとも仏教では説いています。


その心に気がつくことが坐禅です。




さぁ、身体と呼吸を調えることで、素晴らしい心に気がついていきましょう!

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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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