私達の心には柔軟性がある 柔軟心【にゅうなんしん】

仕事をするときに大切にしていることはありますか。
私は僧侶になる前に公務員をしていましたが、採用試験を受けたり、実際に働いているときに何度も憲法に記載されている
「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者で はない」
という言葉を聞き、”自分の考え”に固執することなく、少しでも広い視点で対応することを大切にしてきました。
公務員を辞めて僧侶になりましたが、「全体の奉仕者」という概念は大切ですし、仏教の教えとも相通じるものがあるので今でも大切にしています。
そして、僧侶になったときにお世話になった和尚様方に教えてもらった言葉で今でも大切にしているものがあります。
それが、
「お坊さんの仕事は早いもの順」
ということ、そして「僧侶として頼まれた仕事は断らない」ということです。
「お坊さんの仕事は早いもの順」というのは、仕事の責任や大きさ、収入などで仕事を選んではいけなということです。民間企業や一般の社会では利益を優先して考えることが多くあると思います。
しかし、仏教・禅では「分別をしない・選り好みをしない」ということを大切にしています。
分別・選り好みが完全に悪いことと言うわけではありません。時には大切です。
しかし、分別・選り好みをするのは「自分」であり、これを繰り返していくといつの間には「自分」という存在が大きくなってしまいます。
そして「自分と他人」を比較し傲慢さや偏見が発生してしまうことがあるのです。
ですから、禅では「分別をしない・選り好みをしない」を大切にしており、仕事の予定を決めるときにも、例え周囲から見たら”小さい仕事”が先に入っていたら、どんなに”大きな仕事”や、”やりがいのある仕事”が入っていても、先に入っている仕事を断って後から入った仕事を優先すると言うことはありません。
※私達僧侶を日常的に支えてくださっている檀信徒の葬儀や本山の仕事は別になってきます。
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