お地蔵様がいない世界はありますか?

お地蔵様は、私達を一番近くで見守り助けてくださる仏様と言われています。
そのお地蔵様が6人並んでいるのが、六地蔵様。
なんで6人なのでしょうか?
それは、仏教の六道【ろくどう】という考え方に関係があります。
六道とは
地獄界【じごくかい】
苦しみの世界です。
餓鬼界【がきかい】
あれも欲しい これも欲しいと 欲張り続ける世界
畜生界【ちくしょうかい】
苦しみが多くて、楽しみがほとんどない。みんなが自分勝手に生きている世界
修羅界【しゅらかい】
いつもケンカをしたり戦争をしている世界
人間界【にんげんかい】
いろんな悩みをかかえて生きている世界
天界【てんかい】
楽しそうな世界だけど、いつこの楽しい世界から追い出されるかビクビクして過ごす世界
を言います。仏教では 「いのちあるものはこれらの6つの世界を生まれ変わり死に変わる」と言われており、「どの世界でもお地蔵様がいてくださり、みんなを救ってくださっている」と説いているのです。
ですから、6つのお地蔵様が並んでいるのです。
では、私達がお地蔵様をお参りしたり、坐禅をしたり、修行をして、心が落ち着いている(心が調う)ときはどこの世界にいるのでしょうか?
上記の6つの世界からは選べません。
そうです、この6つの世界を生まれ変わり死に変わるという輪廻から抜け出しているのです。
では、抜け出した世界にはお地蔵様はいるのでしょうか?
お地蔵様は、私達を一番近くで見守り助けてくださる仏様です。
抜け出したら誰も見守ってくれないのでしょうか。
そんなことはありません。
抜け出した人は、その人自身がお地蔵様なのです。
そう考えると、六地蔵様は見守ってくださるだけでなく、苦しみの世界を輪廻する私達に、「その世界を抜け出すことができるよ」と教えてくれているように感じます。
であるならば、六地蔵様は「六」で完成するのではなく、お参りをすることで自分自身がお地蔵様と同じ心になった「七人目」で完成するのかもしれません。
