桜の葉っぱの中に花を見る

川の土手に生えている桜の木に大切なことを教えてもらいました。
その桜の木は決して珍しいものではありません。
ただ緑の葉っぱをたくさんつけた桜の木です。
私はこの桜の木を見たときにハッとしました。
もしも、この桜の木を3月に見ていたとしたら、私は何をしたでしょうか。
美しいピンクの花を写真に収めようとしたと思います。
しかし、私は緑の葉に覆われた桜の木の写真を撮ろうとしなかったのです。
このことに気がついたときに自分の未熟さを痛感したのです。
一般的な植物は花が咲くときには、葉っぱがあります。
葉っぱで光合成をすることで栄養をつくり、その栄養で花を咲かせます。
ですから桜の木のように木全体が花に包まれることは珍しいのです。
しかし、桜の木は花が勝手に咲くわけではありません。前の年に葉が光合成を行い、作り出された栄養分を木が蓄えて、一気に花を咲かせています。
ですから、花に覆われた桜の木が存在するのは、葉に覆われた桜の木があるからです。
ということは、花が咲いた桜の木が美しいと感じて写真を撮るならば、同じように葉に覆われた桜の木も美しいと感じて写真を撮らなければならないはずです。
しかし、私のスマートフォンには、葉でおおわれている桜の木の写真はありません。自分にとって都合の良い写真だけを選んで撮影した写真だけがスマートフォンに収められているのです。このような写真ばかりが収められ、”なにげない日常”に感謝をするような写真を撮影していない私は未熟だと感じます。
これからは、光合成を一生懸命行っている、この季節の桜の木を見て、その中に満開の花を見出すような心で日常を過ごしていきたいと思っています。
- 関連記事
-
- お供え物って最後はどうするの? (2022/06/14)
- お坊さん向けの研修会!? 【葬儀、法要をどう説くか】 (2022/06/13)
- 桜の葉っぱの中に花を見る (2022/06/12)
- サボテンの花とトゲ (2022/06/09)
- アジサイの花の色 と 無分別 (2022/06/08)