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子供坐禅会 法話【なぜ人は悪口を言うのが好きなんですか。】

臨済宗青年僧の会で開催しているオンライン坐禅会(子供坐禅会)で話をしたときの原稿です。

600オンライン坐禅会 法話 子供坐禅会 なぜ人は悪口を言うのが好きなんですか



以前、小学生に

なぜ人は悪口を言うのが好きなんですか。

と聞かれたことがあります。



大人も子供もついつい悪口を言ってしまうものです。



私も先日、お寺の裏の水路があふれたときに、これまで毎日流れ続けてくれていた水路に、そして水路が流れるために一生懸命活動してくれていた方に感謝することなく、「なんでしっかり流れないんだ!」と悪口を言ってしまいました・・・
※詳しくはこちらをご覧ください。



さて、「なぜ人は悪口を言うのが好きなんですか。」

という質問に対して、私は

「慈悲(じひ)の心を見失うから」

と答えます。




仏教では、誰もが慈悲の心を持っていると言っています。

しかし、カバンの中に入れた鉛筆が見つからないことがあるように、私達も慈悲の心を見失うことがあります。



慈悲の

「慈」とは相手に楽しみを与えること、

「悲」とは相手から苦しみを抜き去ること



を表しています。


ですから、


慈悲とは相手と共に喜び、共に悲しむことができる心なのです。


この心をみんなが持っているのです。



仏教には次のような言葉もあります。



心の豊かな人は他人の長所が見え

心のまずしい人は他人の欠点ばかり見える

み仏の心とは慈悲心である





私達は、おこづかいをもらって豊かになることもあれば、無駄遣いをして貧しくなることもあります。

心も同じです。

豊かになったり、貧しくなります。




心は生まれたときから貧しいのではありません。

慈悲の心をという尊いものを持っています。

しかし、見失い貧しくなってしまうときがあるのです。




つまり、悪口が出ているということは、大切な心を見失っていると言ことなのです。


そんなときはどうしたら良いのでしょうか。


カバンの中の鉛筆が見つからない時には、カバンの中を整理します。


同じように、私達も大切な慈悲の心を見失ってしまったときには心の整理をします。



これを、仏教では「心を調える」と言います。



もちろん、坐禅も心を調えます。





さらに、悪口が出てしまう心を調える言葉もあります。

それが、


人間の尊さにめざめ 

自分の生活も 他人の生活も大切にしましょう


という言葉です。




自分の中にある尊い心に気がつけば、自分だけでなく周囲の人も大切にせずにはいられないことを伝えてくれる言葉です。


同時に



悪口を言わなければ、

自然と他人の生活を大切にすることができ、

それが自分の生活を大切にすることにつながってくる。

そうなると、自分の中にある尊い心に気がつくことができる。




と言うことも教えてくれています。


誰かの悪口を言いそうになったとき、この言葉を思い出してみてください。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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