紙の中に雲を見る

先日行われた勉強会である和尚様が
「もしあなたが詩人なら、この紙の上に雲が浮かんでいるのが、はっきりと見えることでしょう。
雲がなければ雨は降りません。
雨が降らなければ、木は育ちません。
そして木がなければ紙はできないのですから、この紙がこうしてここにあるためには、雲はなくてはならないものなのです。
もしここに雲がなかったら、ここにこの紙は存在しません。
それで雲と紙はインタービー(相互共存)しているといえるのです」。
と言う言葉を紹介してくれました。
「この紙の上に雲が浮かんでいるのが、はっきりと見えることでしょう」
という言葉が聞こえたとき、恥ずかしながら・・・・
私は紙に書いてある雲の絵を思い浮かべてしまいました・・・・
しかし、最後まで言葉を聞いて感動しました。
この言葉は、ベトナム出身の禅僧でダライ・ラマ14世と並んで、20世紀から平和活動に従事する代表的な仏教者である、ティク・ナット・ハンの言葉です。
般若心経の中の有名な言葉に
色即是空【しきそくぜくう】
があります。
あらゆるものは空である
と説く言葉です。しかし、「あらゆるものが空」と言われてもいまいち理解ができません。
しかし、「紙の中に雲を見る」と言われたり、さきほどの言葉を紹介されると、
「なるほど!」
と感じることができます。
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