子供坐禅会 法話原稿 般若心経に学ぶ その7 【舎利子】

東光寺(静岡市清水区横砂)で開催されている子供坐禅会で話をしたときの原稿です。
皆さんは授業中に突然先生に「〇〇君!」とか「〇〇さん!」と名前を呼ばれたことはありますか?
どういったときに名前を呼ばれるのでしょうか。
もちろん、その人に伝えたいことがあったときです。
大切なことを伝えようとしたときには、まず名前を呼び、話を聞く環境を作ってから話をするものです。
実は般若心経にでも名前を呼び掛けています。
その名前が舎利子(しゃりし)です。
般若心経には2人の登場人物がいます。
1人が観音様。
そしてもう1人が舎利子(しゃりし)です。舎利子はお釈迦さまの十大弟子の一人で、智慧がもっとも深いといわれた人です。
般若心経の冒頭部分では
「観音様が修行をされて大切なことに気がついた」と書いてあります。そしてその観音様が
「舎利子よ!」
と呼びかけるのです。
観音様が気がついた大切なことを舎利子に伝えようとしているのです。
私はこの「舎利子」がお釈迦様のお弟子様のことをだけを示しているのではないと考えています。
お釈迦様にはたくさんのお弟子さんがいました。
その代表として「舎利子よ」と書いてあるように感じています。
では、お釈迦様のお弟子様とは誰でしょうか。
十大弟子だけでしょうか?
お釈迦様の同じ時代を生きたお弟子様だけでしょうか。
もちろん、違います。
お釈迦様の教えを大切にする人、全員がお弟子様です。
もちろん、私も弟子です。
そして、今こうして話を聞いてくれている皆さんもお弟子様です。
お釈迦様と同じように坐禅をして心を調えようとしているので、皆さんは立派なお弟子様です。
ですから、般若心経をお唱えするときに「舎利子」という言葉に気がついたなら、
「あ、今観音様が私に話しかけてくれている、語りかけてくれている!」
と思って、お経をお唱えしてください。
極端なことを言えば、般若心経をお唱えするときに「舎利子」の部分を自分の名前に変えてお唱えするくらいの気持ちでお唱えしてください。
そうすれば、今よりももっと、もっと般若心経が伝えようとしてくれていることに気がつけると思います。
・・・もちろん、みんなで般若心経をお唱えするときに自分の名前を入れてお唱えすると周囲の人がびっくりするので止めておきましょう!
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