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般若心経に学ぶ その5  照見五蘊皆空

東光寺(静岡市清水区横砂)で開催されている子供坐禅会で話をしたときの原稿です。






【般若心経】5子どもを守る鬼

この絵は何に見えますか?




怖い鬼が襲ってきている絵でしょうか?

鬼が小鬼を守っている絵でしょうか?

それとも、お腹を空かせた小鬼のために私を食べようとしている絵でしょうか?

そもそも、大きい鬼が大人で小さい鬼が子供でしょうか?





答えは・・・・

ありません。


ずるいですよね。

では、なぜこのような絵を用意したのでしょうか?



それは、同じ絵でも見る人によって感じ方が違うことを知ってほしかったからです。


同じものを同じときに見たとしても感じ方は違うし、


同じ人が同じものを見ても、機嫌のよいときに見るか、機嫌の悪いときに見るかで感じ方は違ってきてしまいます。





「ありのままに見る」ということはとても難しいのです。


「鬼」を見ると、これまでの経験を重ねて怖がってしまいます。

鬼が優しく友達になりたくて近づいてきても、逃げてしまうかもしれません。




般若心経には、



照見五蘊皆空

【しょうけん ごおん(うん) かいくう】




という言葉があります。





これは「私達の心と身体を作っている要素はすべて「空(くう)」である」と言っているのです。


これは、間違った考えのもととなる自分勝手な想いを捨てて、ものごとをありのままに見ることが幸せに生きる道だと教えてくれているのです。




ただ、それは簡単なことではありません。



それでも、坐禅をすることで静かな心になることが、自分の心の中にいる鬼を退治することになること。


そして、自分の心の鬼退治ができれば、世界をありのままに見ることができると信じて、今日も元気に過ごしていきましょう!
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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