般若心経に学ぶ その2 摩訶般若波羅蜜多心経 とは

東光寺(静岡市清水区横砂)で開催されている子供坐禅会で話をしたときの原稿です。
皆さんは本を買うときに何を見ますか?
表紙の絵を見る人もいるでしょう。
作者の名前も気にするかもしれません。
それだけではありません。
題名を見ませんか?
むしろ、題名で読む本を決める人も少なくないかもしれません。
題名って大切ですよね。
題名を見ると、どんな本かある程度分かることができます。
実はお経も、題名と本文に分けることができます。
いつも坐禅会の最後にお唱えする般若心経も題名と本文に分けることができます。
般若心経はお経の題名ではありません。正確には
摩訶般若 波羅蜜多心経【まかはんにゃ はらみたしんぎょう】
が題名です。
どんな意味でしょうか?
摩訶は【大きく深い】
般若は【真実の智慧】
波羅蜜多【迷いの世界から悟りの世界へ】
をそれぞれ意味しています。
ですから、般若心経の題名を日本語にすると
「もっとも深い悟りの世界へ渡る教え」
「真実の智慧と出会う教え」
と言うことができます。
私は、初めてこの言葉の意味を知ったとき、何となくですが
「大きな仏様に包まれている情景」が目に浮か見ました。
「もっとも深い悟りの世界」
という言葉がそう思わせたのかもしれません。
有名な孫悟空の話にも、お釈迦様につかまった孫悟空が,、捕まった場所から逃げ、逃げた先にあった大きな柱にいたずら書きをしたり、こっちの壁にいたずらとやりたい放題をするのですが、全てを終えると、実はそこはお釈迦様の手の上で、落書きをしたのは指だった。という話があります。
孫悟空はそこで、自分の未熟さ、世界の広さを知り心を入れ替えて生活をするようになりました。
自分が知っている世界だけが、世界じゃない。
大きなものがあること、
大きなものに包まれていること、
大きなものに守られていることに気がつくこと。
そして、そのことが「ありがたい」ことだと実感することが、摩訶般若波羅蜜多心経【まかはんにゃ はらみたしんぎょう】の第一歩です。
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