坐禅会中に家に帰っていいですか?

「坐禅会中に家に帰っていいですか?」
「いいですよ!」
なんて会話が聞こえてきたら不思議な気持ちになりますよね。
坐禅に飽きちゃったかな!?
と、思うかもしれません。
でも、あながち変な会話ではないのかもしれません。
教員時代に
行きたくなる学校
帰りたくなる家
住み続けたくなる地域
この3つがそろうことが大切だ
と教わりました。
学校だけが、家庭だけが、地域だけががんばるのではなく、それぞれが、それぞれの役割を果たすことで、生徒は大きく成長すると学びました。
学校は学ぶ場所
家は落ちつく場所
地域は活躍・実践の場所
を表しているようにも感じました。
この3つかそろっていることは多くありません。
だからこそ、そこを目指すことが大切だったのです。
どんなに、必死になって学んでも心の落ちつきがなくなれば、身体と心のバランスが崩れてしまいます。
どんなに学んでも、実践の場がなければもったいない。
禅の言葉にも
帰家隠坐【きかおんざ】
という言葉があります。
直訳をすれば、家に帰って穏やかに坐るという意味です。
もちろん、本当に家に帰って静かに坐っても良いのですが・・・
この場合、「家」は誰もが生まれたときからいただいている尊い心表しています。
ですから、坐禅をすることで、煩悩に苦しむ生活を抜け出して、もともと持っていた尊い心【家】に帰ることの大切さを教えてくれる言葉です。
そう、考えますと
坐禅をしていて、帰る「家」を見つけることができることは素晴らしいことです。
自分自身に
「坐禅会中に家に帰っていいですか?」
と質問し、自分自身に
「いいですよ!」
と答えてから坐ってみることも良いかもしれません。
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