伝え上手は、伝わるはずがないと覚悟している人

私は人前で話すことがあります。
これまで、理科の教員として、僧侶として、様々な話をしてきました。
理科は好き嫌いがはっきりとしている教科です。
理科好きは勝手に勉強をして、話を漏らさず聞いてくれます。
しかし、嫌いな人は「理科」「科学」「公式」と言った言葉を聞いた途端に、ちょっとした煙にも反応してシャッターを閉じる高性能な防火シャッターのように、心のシャッターが閉じていきます。
ガラガラという音が聞こえてくるように閉まります。
仏教も同じです。
「宗教」「お布施」なんて言葉は・・・
ですから、話をしても「伝わっていない」と感じることが多くありました。
しかし、どこかで「好き嫌いがあるからしょうがない」と自分に言い訳をしていました。
もちろん、実力も努力も足りないので伝わらないのですが、根本的には「覚悟」が足りなかったと思い知りました。
先日、
「伝え上手は、伝わるはずがないと覚悟している人」
という言葉に触れて、自分の覚悟の無さを痛感すると同時に、これから肝に銘じていきたいと感じました。
この言葉は、多くの著書があり、様々な場所で講演をされている国際大学GLOCOM客員研究員の小木曽健のものです。
小木曽さんは
人間は「伝わっているはず」と思った瞬間、伝える努力をやめてしまう。だから伝わらないし、伝わっていないことすら気づけなくなります
むしろ「簡単に伝わってたまるか」と身構えるくらいで丁度良い。「伝わっていないかも」は、大人も常に意識すべきだと思います
ともおっしゃっています。
「簡単に伝わってたまるか」
大切な言葉です。
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