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遺教経に学ぶ 【1-4】

600オンライン坐禅会 法話 遺教経 正方形1-4




これまで、

 釈迦牟尼仏、初に法輪を転じて、阿若憍陳如(あにゃきょぢんにょ)を度し、最後の説法に須跋陀羅(しゅばつだら)を度したもう。

という遺教経の一文について紹介をしてきました。


遺教経はお釈迦様が亡くなられる際に説いた最後の教えです。


この最後の教えを東光寺ではお通夜の際にお唱えします。


お通夜が始まる際に、まずお唱えするのが遺教経です。


その最初の言葉が


釈迦牟尼仏、初に法輪を転じて・・・


という一文です。


これは


 お釈迦様は、初めに5人の弟子に、そして最後にスバッタ教えを説き、悟らせた。


という言葉です。


そのまま見ていけば、お釈迦様の最初と最後の御弟子様を紹介しているだけのようにも見えますが、実際は違います。


以前の記事でも紹介をしているのですが、この一文は



・初めの5人の弟子からは、変わりゆくもののなかに大切な変わらないものがあること、


・最後の弟子からは、変わるときに年齢の制限などない、代わりたいと思ったときに人はいつでも変わることができる


ということを示してくれています。




私は、さらにこの一文を通夜の際にお唱えするときに感じることがあります。

それは、お釈迦様・弟子・悟らせた という言葉は 次のように置き換えることができるよう感じています。



お釈迦様 → 亡くなった親や子、家族、そして大切な人

弟子 → 私自身

悟らせた → 同じ境地になった



つまり


お釈迦様は、初めに5人の弟子に、そして最後にスバッタ教えを説き、悟らせた。


という一文は




大切な人と、出会ったときから今までに様々なことを教えてもらった。

そして同じ心になれることを知った。


同じ心になるということは、大切なあの人と一体になることであり、


これからもその心で一緒に生き続けることができるということ。





ということを思い出させてくれているように感じます。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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