昔話 「姥捨て山」に学ぶ その6

昔話「姥捨て山(うばすてやま)」は
老人を捨てなくてはいけない国で、母を捨てることができなかった息子が、母に助けられながら国を救い、その働きによって「老人を捨てる国」から「老人を大切にする国」に変わっていくお話です。
実はこの昔話、お釈迦様の説かれた話がモデルになっているようです。ですから、姥捨て山の話は「老人を大切にすることの大切さを説く」だけでなく、非常に多くのことを教えてくれています。
姥捨て山【その6】
昔話「姥捨て山」では、お婆さんの教えで無理難題を解決することで、老人を捨てるという決まりが無くなります。
もちろん、この「無理難題」にも教えが入っています。
その無理難題の1つが
複雑な穴に糸を通せ
と言うものです。
物語では次のように書いてあります。
「この玉に絹糸を通してもらいたい。それが出来なければ、国を攻めほろぼしてしまう」
と手紙に書いてありました。
その玉を手に取ってよく見ると、玉の中にごく小さな穴が曲がりくねってついていて、どうしたって糸の通るはずがありませんでした。
今度も息子は隠しているお母さんの所へ行って、相談をしました。
すると「それは、玉の片かたの穴のまわりにたくさん蜂蜜をぬっておいて、絹糸に蟻を一匹ゆわいつけて、別の穴から入れてやるのです。すると蟻は蜜の香りを慕って、曲がりくねった穴の道を通って、先へ先へと進んでいくから、それについて糸もこちらの穴から向こうの穴までつき抜けてしまうようになるのだよ。」
と、言ったのです。
この場面も、もちろんクイズ大会ではありません。
玉の穴は、迷いや苦しみを、
アリや蜂蜜は、正しい教えを、
糸は、私達を
表しているように感じます。
私達は普段から、出口が見えない複雑な悩みや苦しみをかかえています。
しかし、アリとハチミツのように正しい組み合わせがあれば出口から出られるように、
糸に例えられている私達も正しい教えに出会うことができるのです。
出口がないトンネルがないように、
出口がない苦しみもない
※姥捨て山の記事の一覧やお話しの概要はこちらの記事をご覧ください。
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