昔話 「姥捨て山」に学ぶ その4

昔話「姥捨て山(うばすてやま)」は
老人を捨てなくてはいけない国で、母を捨てることができなかった息子が、母に助けられながら国を救い、その働きによって「老人を捨てる国」から「老人を大切にする国」に変わっていくお話です。
実はこの昔話、お釈迦様の説かれた話がモデルになっているようです。ですから、姥捨て山の話は「老人を大切にすることの大切さを説く」だけでなく、非常に多くのことを教えてくれています。
姥捨て山【その4】
先日、
「人間と機械の違いは何ですか」
という問題を出されて、答えが見つからずに困ってしまいました。
この問題は
「人間にしかできないこと」
を聞いているように感じますが、AI(人工知能)の登場で、人間にしかできないことが少なくなったように感じている人も多いのではないでしょうか。
そこで、AIについて調べてみると、AIを説明する言葉の中に興味深い言葉がありました。
それが、
「機械であるコンピューターが「学ぶ」ことができるようになった。」
というものです。
つまりAIの登場まで、人間と機械の違いは「学ぶ」ことだったのです。
ということは、人間とは何かと聞かれたときには
「学ぶことができる」
と答えることができるようです。
では、学ぶとは何でしょうか。
学ぶことは変化することです。
そう考えると、
人間 = 変化すること
と言えるのではないでしょうか。
昔話「姥捨て山」で、お母さんを山に置いてきた息子でしたが、お母さんの慈悲の心に触れて、改心をします。
息子が自分を捨てた後に、迷うことなく家に帰れるようにと、お母さんが折った枝を見て息子は
「おかあさんを捨てたのはやはりわたくしが悪うございました。こんどはどんなにしてもおそばについてお世話をいたしますから。」
と言って、心を入れ替えます。
この場面は、「人は変わることができる」ということを表現しています。
お婆さんの慈悲の心に触れた息子が、お婆さんを助けることを決意する場面は、どんなに“苦しい”ことも”楽”に変換させていくことができることを示しています。
現代はAIの登場で 人間 = 変化 と考えるようになったと私は考えていますが、姥捨て山は最新の技術ではなく、昔からの方法で人とは何かを示してくれています。
※姥捨て山の記事の一覧やお話しの概要はこちらの記事をご覧ください。
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