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香炉の掃除に感じること

600香炉の掃除に感じること2


焼香に使う香炉は使用前に掃除をします。


掃除の方法は2つあります。


1つは全ての灰を外に出してふるいにかけて掃除をする方法。

もう1つは網で表面の燃えカスなどを取り除く方法です。



これは心の掃除にも似ているように感じます。


日常を離れて修行をしたり、大きく環境を変化させることでいっぺんに心を調える方法もありますし、

日常を離れることなく、日常の中で身体と呼吸を調えることで心を調えることもできます。




香炉の掃除の場合、全ての灰を外に出すのは大掃除のときなど年に数回です。

毎回の掃除は簡単に網ですくって終わります。

しかし、網ですくう方法には欠点があります。

掃除が終われば香炉の中がきれいに見えるのですが、振動を与えると燃えカスが表面にでてきます。





600香炉の掃除に感じること3

トンっと場所を移しただけでも出てきてしまうことがあり、またゴミをすくわなければなりません。

終わりがありそうで、なかなか終わらないのが香炉の掃除です。





掃除をしたのに、ちょっとした振動でゴミが出てくる香炉を見ていると、まるで自分の心のように感じてしまいます。

嫌なこと、苦しいことがあったときでも、なんとか心を落ち着かせることができます。

しかし、ちょっとしたきっかけで嫌なことを思い出して心が乱れてしまいます。

心が乱れたことに気がついて、心を落ち着かせようとすると、なんとか落ち着くことができます。

しかし、またちょっとしたことがあると・・・




何度掃除をしてもゴミが出てくる香炉の灰と同じです。


大掃除をすれば一回で出なくなるかもしれません。


でも、毎回大掃除はできません。


では、毎回の掃除は意味がないのか、香炉のゴミは出続けるのでしょうか。


そんなことはありません。


出なくなります。


出てくる量はいつも同じでしょうか。


そんなことはありません。


少なくなっていきます。




私達の心も同じです。

日常を離れた心の大掃除をしても、日常に戻ればすぐにゴミは出てくるようになります。

だからこそ、日常を離れた大掃除だけでなく、日常の中で身体と呼吸を調えることで、心を調えていくとが大切だと感じます。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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