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昔話シリーズ 猿蟹合戦 【1.柿の種を喜ぶ】


600【昔話】47猿蟹合戦


昔話シリーズ 猿蟹合戦 【1.柿の種を喜ぶ】



この記事は東光寺(静岡市清水区横砂)で行われてみんなの坐禅会(子供坐禅会)で私が話した内容をまとめたものです。



皆さんご存じの通り、猿蟹合戦【さるかにがっせん】のお話は


1.柿の種を喜ぶ蟹
2.柿の種の成長
3.青い柿で・・・
4.栗の登場
5.蜂の登場
6.昆布の登場
7.臼の登場
8.猿をこらしめ、猿を許す



となっています。


この猿蟹合戦の話から、私達は様々なことを学ぶことができます。

今回は 「1.柿の種を喜ぶ蟹」 という場面から何を学ぶことができるのかを紹介させていただきます。





猿蟹合戦は有名なお話ですのでご存じの方も多いかと思います。


始まりは猿が柿の種を、蟹がおにぎりを拾う所からはじまります。


猿は蟹が拾ったおにぎりがうらやましくてしかたありません。


そこで、猿は蟹に


「柿の種とおにぎりを交換しよう!」


と無茶な提案をします。蟹は断ろうとするのですが、猿に


「まけば芽が出て木になって、おいしい実がなるよ。」


と言われて柿の種とおにぎりを交換します。




この後、猿はおいしそうにおにぎりを食べ、蟹は何も食べることができませんでした。


この部分を見ていると猿はだました悪いやつ、蟹はだまされた被害者のようになります。




しかし、蟹はこのことで猿を怒ったりせず、素直に柿の種を植えようとします。


そう見ると、蟹が被害者でなくなっているのです。




私達は普段の生活で嫌なこと苦しいことがたくさんあります。


誰かに嫌なことを言われたり、されたりします。


防ごうと思っても防げないこともあります。


しかし、この蟹のような心で生きていくことはできます。


柿の種を大切に扱うことで、蟹は被害者でなくなったのです。


自分の心の持ち方次第で、自分自身の立場を大きく変えることができたのです。





もちろん、悪いやつにだまされても抵抗するなということではありません。


悪いことをされても我慢しろと言うことでもありません。




蟹が「心の持ち方次第で自分は変わることができる」ということを教えてくれいることを忘れずに普段の生活を送ることが大切なのです。





では「心の持ち方」とはなんでしょう。


仏教・禅では、誰もが尊い心を持っていると説いています。


この尊い心にまかせて生きていけば良いのです。




しかし、尊い心を持って生まれてくるのですが、日常生活の中でこの「心」に知識・思い込み・迷い・苦しみなど様々なものがくっついてきてしまい、本当の心が見えなくなってしまうことがあります。


その、余計なものを取り除いていくのが坐禅などの修行です。


少しずつでも余分なものを取り除くことで見えなくなった本当の心を思い出し、その心で生きていくことを猿蟹合戦の蟹は教えてくれています!
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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