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昔話シリーズ 桃太郎 【9:鬼ヶ島到着】

600【昔話】45桃太郎

昔話シリーズ 桃太郎 【9:鬼ヶ島到着】



この記事は東光寺(静岡市清水区横砂)で行われてみんなの坐禅会(子供坐禅会)で私が話した内容をまとめたものです。



皆さんご存じの通り、桃太郎のお話は

1.川に桃が流れてくる
2.お婆さんが桃に「あっちの水は辛いよ、こっちの水は甘いよ」と言う
3.桃から桃太郎が生まれる
4.おじいさんとおばあさんが桃太郎のめんどうをみる
5.桃太郎、鬼ヶ島へ
6.おじいさん、おばあさんがきびだんごを作る
7.きびだんごを欲しがる猿、犬、きじを仲間にする
8.船で鬼ヶ島へ出発
9.鬼ヶ島到着
10.鬼を退治して帰ってくる



となっています。

この桃太郎の話から、私達は様々なことを学ぶことができます。




今回は 「9.鬼ヶ島到着」 という場面から何を学ぶことができるのかを紹介させていただきます。


桃太郎は船に乗って鬼ヶ島へ向かうことは多くの方が知っています。


物語の中で、鬼ヶ島への道中はこのように描かれています。



うららかないいお天気で、まっ青な海の上には、波一つ立ちませんでした。

稲妻が走るように、目のまわるような速さで船は走って行きました。 

ほんの一時間も走ったと思うころ、きじが、「あれ、あれ、島が。」とさけびました。

何年も、何年もこいで行かなければならないという鬼が島へ、ほんの目をつぶっている間に来たのです。





物語の前半でも

「どこにあるのか、何年かかるかわからない場所に鬼ヶ島がある」

と書かれていたのに・・・



いざ、出発してみるとあっという間に到着をしてしまったのです!!!


驚くような場面ですが、この場面からも学ぶことがあります。





有名な昔のお坊さんに六祖慧能禅師【ろくそえのうぜんじ】というお坊さんがいます。




六祖慧能禅師、大変な苦労をしながら子供時代を過ごすのですが、ある時に町でお坊さんがお経を唱えているのを聞いて出家をします。


しかし、学校などに行っていなかったので文字も読めません。


文字を読んだり書いたりできないと修行にならないので、師匠は六祖慧能禅師に台所仕事をするように命じます。


六祖慧能禅師は台所の仕事をしているのでみんなと同じ修行はできませんが、他の修行僧よりもとても短い時間で悟りを開き師匠に認められたのです。





いわゆる大勢の人が行っている「修行」はとても大切です。


長い時間をかけて悟りを開く方もいらっしゃいます。


しかし、それが全てではありません。


みんなとは違う方法で、短い時間で結果が出ることもあるのです。




桃太郎達も一般的に言われているよりも短い時間が鬼ヶ島に到着しました。


それは、前回の記事でも紹介したように猿、犬、きじが自分の役割をしっかりとやれたからです。
※前回の記事はこちらです。





勉強やスポーツも同じです。

同じ宿題や練習を長い時間やれば良いわけではありません。

短い時間であったとしても本当に集中して取り組むことができれば自分でも驚くほどの成果を得られる時があります。





坐禅も同じです。もちろん長く坐ることができるのは良いことではありますが、たとえ短い時間であっても精一杯坐ることが大切です。

さぁ、一生懸命に身体と呼吸と心を調えていきましょう!!!



600仏教豆知識シール 390-399 昔話シリーズ 桃太郎9

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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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