昔話シリーズ 桃太郎 【8:船で鬼ヶ島へ出発】

昔話シリーズ 桃太郎 【8:船で鬼ヶ島へ出発】
この記事は東光寺(静岡市清水区横砂)で行われてみんなの坐禅会(子供坐禅会)で私が話した内容をまとめたものです。
皆さんご存じの通り、桃太郎のお話は
1.川に桃が流れてくる
2.お婆さんが桃に「あっちの水は辛いよ、こっちの水は甘いよ」と言う
3.桃から桃太郎が生まれる
4.おじいさんとおばあさんが桃太郎のめんどうをみる
5.桃太郎、鬼ヶ島へ
6.おじいさん、おばあさんがきびだんごを作る
7.きびだんごを欲しがる猿、犬、きじを仲間にする
8.船で鬼ヶ島へ出発
9.鬼ヶ島到着
10.鬼を退治して帰ってくる
となっています。
この桃太郎の話から、私達は様々なことを学ぶことができます。
今回は 「8.船で鬼ヶ島へ出発」 という場面から何を学ぶことができるのかを紹介させていただきます。
いよいよ鬼ヶ島へ向かう桃太郎一行は港に到着します。
鬼ヶ島へは船旅です。
船を見つけて乗り込む場面にこのような会話が登場します。
「わたくしは、漕ぎ手になりましょう。」
こう言って、犬は船をこぎ出しました。
「わたくしは、かじ取りになりましょう。」
こう言って、猿がかじに座りました。
「わたくしは物見をつとめましょう。」
こう言って、きじがへさきに立ちました。
この時に、猿が
「いやいや、俺も空から全体を見渡したい」
と言ったらどうなるでしょうか。
きじが
「空の役割ばかりじゃなくて、俺もたまには船をこいでみたい」
と言ったらどうなるでしょうか。
もちろん、それでも良いかもしれません。
猿が飛べるようになるまで待てば可能かもしれません。
きじが船をこげるようになるまで待てば可能かもしれません。
しかし、それでは時間がかかりすぎます。
かかりすぎるどころか、鬼ヶ島に到着することができなくなってしまいます。
仏教の例え話に
「体が一つ、頭は二つの鳥がいた。一つの頭がおいしい果物を食べているのを妬み、もう一つの頭が毒を食べて、両方ともに死んでしまった。」
「尻尾が 前に出ようとして 蛇の頭と尻尾が喧嘩した。尻尾が前に出ると炎の中に落ちて死んでしまった。」
といったものがあるように
桃太郎たちが船に乗り込む場面では、各自が今自分の力を発揮できる場所で精一杯の努力をすることの大切さを説いています。
そして、今自分が何をするべきなのかは姿勢を良くしてゆっくりと呼吸をすることで心が調えれば自然と見えてくると言われています。
さあ、ゆっくりと心を調えていきましょう。

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