昔話シリーズ 桃太郎 【7:きびだんごと仲間】

昔話シリーズ 桃太郎 【7:きびだんごと仲間】
皆さんご存じの通り、桃太郎のお話は
1.川に桃が流れてくる
2.お婆さんが桃に「あっちの水は辛いよ、こっちの水は甘いよ」と言う
3.桃から桃太郎が生まれる
4.おじいさんとおばあさんが桃太郎のめんどうをみる
5.桃太郎、鬼ヶ島へ
6.おじいさん、おばあさんがきびだんごを作る
7.きびだんごを欲しがる猿、犬、きじを仲間にする
8.船で鬼ヶ島へ出発
9.鬼ヶ島到着
10.鬼を退治して帰ってくる
となっています。
この桃太郎の話から、私達は様々なことを学ぶことができます。
今回は 「7.きびだんごを欲しがる猿、犬、きじを仲間にする」 という場面から何を学ぶことができるのかを紹介させていただきます。
これは桃太郎の物語でも有名な場面
猿、犬、きじはきびだんごを持った桃太郎と出会うと
「桃太郎さん、桃太郎さん、どちらへおいでになります。」
とたずねました。
「鬼が島へ鬼せいばつに行くのだ。」
「お腰に下げたものは、何でございます。」
「日本一のきびだんごさ。」
「一つ下さい、お供しましょう。」
「よし、よし、やるから、ついて来い。」
少し心配になるくらい損得を考えないまっすぐな心を示す会話です。
もちろん、この素直な気持ちも大切です。
さらに、物語の中で、猿、犬、きじが別々に桃太郎に話しかけるところにも意味があると思います。
最近は「簡単に・まとめて」が良いこととされる時代です。
しかし、桃太郎の物語では猿、犬、きじはまとまって登場しません。
「一つ下さい、お供しましょう。」
「よし、よし、やるから、ついて来い。」
が3回続くのです。
短くまとめようと思えば短くできる場面かもしれません。
しかし、そうはしない。
猿、犬、きじがそれぞれの命を桃太郎に預ける場面であり、それぞれの命が一つになる大切な場面です。
私はこの「きびだんごを欲しがる猿、犬、きじを仲間にする」という場面は
損得を考えないまっすぐな心の大切さを示すだけでなく、決して省略したり簡単にしてはいけないことがあることを教えてくれているように感じます。

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