fc2ブログ

昔話シリーズ 桃太郎 【6:きびだんご】

この記事は東光寺(静岡市清水区横砂)で行われてみんなの坐禅会(子供坐禅会)で私が話した内容をまとめたものです。


600【昔話】42桃太郎

昔話シリーズ 桃太郎 【6:きびだんご】


皆さんご存じの通り、桃太郎のお話は



1.川に桃が流れてくる
2.お婆さんが桃に「あっちの水は辛いよ、こっちの水は甘いよ」と言う
3.桃から桃太郎が生まれる
4.おじいさんとおばあさんが桃太郎のめんどうをみる
5.桃太郎、鬼ヶ島へ
6.おじいさん、おばあさんがきびだんごを作る
7.きびだんごを欲しがる猿、犬、きじを仲間にする
8.船で鬼ヶ島へ出発
9.鬼ヶ島到着
10.鬼を退治して帰ってくる



となっています。


この桃太郎の話から、私達は様々なことを学ぶことができます。



今回は 「6.おじいさん、おばあさんがきびだんごを作る」 という場面から何を学ぶことができるのかを紹介させていただきます。



桃太郎がおじいさんとおばあさんに「鬼退治に行く」と伝えると、


「まあ、そんな遠方へ行くのでは、さぞおなかがおすきだろう。よしよし、おべんとうをこしらえて上げましょう。」


と言って.二人はきびだんごを作り始めます。




・・・しかし、少し知恵がついてくると二人の行動に疑問を感じてしまいます。


それは、この場面の少し前に

「もう何年も何年も船をこいで行くと、遠い遠い海のはてに、鬼が島という所がある。」

という一文があるからです。



何年かかる分からない場所に行こうとしている大切な子供の為にきびだんご!?


何かもっと良いものがあるのではないか!?


そんなことを考えてしまいます・・・


しかし、二人は庭に臼を持ってきてきびだんごを一生懸命作るのです。





以前の記事で桃太郎の話は「無心」を説いていると紹介をしました。
※記事はこちらです(桃太郎1)



無心とは、差別をしない心や見返りを求めない心のことを言いますが、今できることを精一杯することも無心です。

今できることを精一杯することで、差別や見返りと言った心すら消し去ってしまうのです。



何年かかるか分からない場所へと旅立つ桃太郎にきびだんごを作る二人の姿は、


無駄になるかもしれない・助けにならないかもしれないが今できることを精一杯することの尊さを示してくれています。





坐禅をしていても、

「あ、隣の人が動いた!」「あ、向こうの方から音がする」

などと感じてしまい坐禅だけに集中することが難しいように


「今できることを精一杯」もなかなか実行することは難しいものです。



しかし、最初の一歩を踏み出さなければ何も始まりません。

坐禅中に集中できなかったとき、どうすればよかったでしょうか。

そうです、もう一度姿勢を良くして、ゆっくりと呼吸を意識します。

何度でもやり直すことができます。




同じように「今できることを精一杯」も何度も失敗をしてしまうものですが、何度でもやり直すことができます。

そのことを実感するためにも、姿勢を良くして、ゆっくりと呼吸をしていきましょう。




600仏教豆知識シール 390-399 昔話シリーズ 桃太郎6
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

最新記事
カテゴリ
検索フォーム
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる