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昔話シリーズ 桃太郎 【3:飛び出す桃太郎】

この記事は東光寺(静岡市清水区横砂)で行われてみんなの坐禅会(子供坐禅会)で私が話した内容をまとめたものです。





600【昔話】39桃太郎


昔話シリーズ 桃太郎 【3:飛び出す桃太郎】



皆さんご存じの通り、桃太郎のお話は

1.川に桃が流れてくる
2.お婆さんが桃に「あっちの水は辛いよ、こっちの水は甘いよ」と言う
3.桃から桃太郎が生まれる
4.おじいさんとおばあさんが桃太郎のめんどうをみる
5.桃太郎、鬼ヶ島へ
6.おじいさん、おばあさんがきびだんごを作る
7.きびだんごを欲しがる猿、犬、きじを仲間にする
8.船で鬼ヶ島へ出発
9.鬼ヶ島到着
10.鬼を退治して帰ってくる



となっています。



この桃太郎の話から、私達は様々なことを学ぶことができます。


今回は 「3.飛び出す桃太郎」 という場面から何を学ぶことができるのかを紹介させていただきます。



桃太郎誕生の場面です。



拾ってきた桃を食べようと、おじいさんが桃を切ろうとした時、桃から男の子が飛び出してきます。


これが桃太郎です。


もしも、おじいさんが勢いよく包丁を入れていたらどうなったでしょうか。


桃太郎は切られておしまいです。


昔話にもなりません。


おじいさん達が、拾ってきた桃を大事にし過ぎたらどうなっていたでしょう。


なかなか桃から出てこられず、窒息してしまったかもしれません。


桃を切りたりおじいさん達と、桃から出たい桃太郎のタイミングがピッタリと合ったからこそ、桃太郎は無事に出てこられたのです。




仏教・禅の言葉に啐啄同時【そったくどうじ】というものがあります。



ニワトリのヒナが卵から誕生するときに、卵の内側からヒナが、外側を親鳥が同時に卵の殻をつつくことで、殻を破り生まれて来ると言われています。
 ニワトリに限らず、師匠と弟子。親と子の関係も、それぞれが成長するために同時に動くことの大切さを説く言葉です。





私は、桃太郎誕生の瞬間を読むと啐啄同時【そったくどうじ】を思い出します。


どちらかだけが力を出そうとしても上手くいかない時があります。


お互いのタイミングが合うから上手くいく時があります。



桃太郎誕生の場面はタイミングを見極める力を養うか、


相手のことを考えて、考えて、考え抜いて、相手と一つになってタイミングのことすら考えなくても良い状(態啐啄同時)になることの大切さを教えてくれています。


600仏教豆知識シール 390-399 昔話シリーズ 桃太郎3
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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