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昔話シリーズ 浦島太郎 【6:玉手箱を開ける】

この記事は東光寺(静岡市清水区横砂)で行われてみんなの坐禅会(子供坐禅会)で私が話した内容をまとめたものです。




600【昔話】36浦島太郎

昔話シリーズ 浦島太郎 【6:玉手箱を開ける】


皆さんご存じの通り、浦島太郎のお話は

1.浦島太郎が亀を助ける
2.助けた亀に竜宮城へ連れて行ってもらう
3.楽しい時間を過ごすが、時々もとの世界を思い出す
4.玉手箱をもらって帰る
5.もとの世界は長い時間が経っていることに気がつく
6.玉手箱を開ける



となっています。


この浦島太郎の話から、私達は様々なことを学ぶことができます。



今回は 「6:玉手箱を開ける」 場面から何を学ぶことができるのかを紹介させていただきます。




浦島太郎が竜宮城から帰ってくると、村の様子が変わっていることに気がつきます。


そこで、近くにいたおばあさんに話を聞くと、おばあさんは



「わたしが子どものじぶんきいた話に、むかし、むかし、この水の江の浜に、浦島太郎という人があって、ある日、舟に乗って釣りに出たまま、帰ってこなくなりました。」



と答えたのです。


これを聞いた浦島太郎は自分が竜宮城へ行っている間に村は300年もの時間が経ち、自分を知っている人が誰もいないことに驚きます。


と、同時に玉手箱を開けてしまい、出てきた煙によっておじいさんになってしまいます。





とても有名な場面です。


この場面も大切なことを語りかけてくれています。


この場面で驚く場所は



玉手箱によって浦島太郎の肉体は滅びてしまう場面でしょうか。


私は、そこだけで驚いているわけではありません。


私が驚いたことは


村のお婆さんが300年前に海へ出たまま行方不明になった浦島太郎のことを覚えていたことです。


300年間誰も浦島太郎の肉体を見ていません。


しかし、記憶には残っていました。


ここが、このお話の大切な場面です。




昔から


「亡き人の 美しい心を 受け継ぐことが 供養である」


とも言われています。




私達の肉体は、いつか滅びます。


しかし、亡くなった方から大切な”心”を受け取ることで、亡くなった方が自分の中で生き続けるように、自分達の心は永く生き続けるのです。


 そのことを浦島太郎は自分が失敗をすることで伝えようとしているのです。


 浦島は玉手箱をうっかり開けて年を取り肉体を失うが、三百年経っても村人は浦島のことを覚えていたことは「肉体が大切なのではなく心が大切」ということを示しているのです。



600浦島太郎6
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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