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昔話シリーズ 浦島太郎 【1:亀を助ける】



この記事は東光寺(静岡市清水区横砂)で行われてみんなの坐禅会(子供坐禅会)で私が話した内容をまとめたものです。




600【昔話】31浦島太郎

昔話シリーズ 浦島太郎 【1:亀を助ける】




皆さんご存じの通り、浦島太郎のお話は


1.浦島太郎が亀を助ける
2.助けた亀に竜宮城へ連れて行ってもらう
3.楽しい時間を過ごすが、時々もとの世界を思い出す
4.玉手箱をもらって帰る
5.もとの世界は長い時間が経っていることに気がつく
6.玉手箱を開ける





となっています。



私は昔話がなぜできたのかを考えることがあります。


この浦島太郎の話から、私達は様々なことを学ぶことができます。


今回は 「1.浦島太郎が亀を助ける」 場面から何を学ぶことができるのかを紹介させていただきます。


皆さんは浦島太郎がどのような方法で亀を助けたか覚えていますか?


浦島太郎がどのように亀を助けたかは、意外と詳しく昔話の中に書いてあります。


書き方は昔話によって少しずつ異なりますが、おおまかな流れは以下の通りです。





ある日、漁師の浦島太郎が歩いていると、村の子供達が亀をいじめていました。

浦島は子供達に「亀をイジメちゃダメだよ」と話しますが、子供達は聞きません。

そこで、浦島は「亀を売ってくれ」と頼んで、子供達におこづかいをあげると、子供達は亀を浦島に渡しました。

浦島は「さあもうお帰りお帰り」といって、わざわざ亀を海まで持って行ってはなしてやりました。

亀はうれしそうに、首や手足をうごかして、海へ帰っていきました。






彼は、


声をかけ

手を動かし、

最期まで面倒を見たのです。






私は、浦島太郎がいろいろな方法で亀を助け、海まで運んだ姿は、実践することの大切さを教えてくれているように感じます。

声をかけただけ亀を助けることはできませんでした。

声をかけるだけでなく、実際に動くことで亀を助け、さらに海にまで連れていきます。




これは坐禅の実践に似ています。


「坐禅をするとこんな良いことがあるよ!」

「坐禅はこうすると良い。」

「坐禅の坐り方はこうだ。息の仕方はこうだ」



・・・ 頭では分かるし、理解できます。

しかし、実践するとどうでしょうか?

なかなか、頭で考えた通りには動かないものです。

何度も何度も坐禅をしていくからこそ、坐禅の坐り方や息の仕方が分かってきます。

そして、坐り方が分かったからと言って、坐禅は終わりません。

坐った体験を無駄にしないために、さらに坐わったり、日常の生活の中に坐禅を取り入れていきます。

この流れは



頭で考える

実践する

日常に中に坐禅を取り入れる



という3段階で表すことができます。

これは浦島太郎が亀を助ける際に



言葉で救おうとする

体を動かして救う

海にまで連れていく




という3段階と類似していることが多いよういに感じます。


ですから、この部分からは


頭だけで考えるな、身体を動かせ、そして徹底的に身体を動かせ


という短い言葉が詰まっているように感じます。


600浦島太郎1



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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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