ホッとする仏教聖典の言葉

「私達は誰もが仏様のような心をいただいています」
お坊さんの話を聞いていると、このような言葉を聞いたことがあるかもしれません。
この言葉を聞いたときに
「仏の心とは何だ??」
と疑問に感じる方もいると思います。
私もその一人でした。
そんなときに、仏教聖典の中の言葉に
仏の心とは大慈悲である。
あらゆる手だてによって、すべての人びとを救う大慈の心。
と書いてあることに気がつきました。
「なるほど、仏の心とはすべての人々を救おうとする心のことを言うのか!」
と、納得していると、文章が続いていることに気がつき、読み進めると
「ちょうど子を思う母のように、しばらくの間も捨て去ることなく、守り、育て、救い取るのが仏の心である。」
と書いてあるのです。
私はこの部分に疑問を感じてしまいました。
「母や親というものは、必ず”子を想い、守り育てているのだろうか?」
教員時代も含めて、これまでに多くの親子を見てきましたが、すべての親が 子を想っているとは限りません。
「そもそも親子とは何なんだ」
と、ついつい考えてしまいますが、その答えのようなものが仏教聖典に
親は子に五つのことをする。悪を遠ざけ、善をすすめ、知恵・技能を学ばせ、結婚させ、家督を譲る
と書いてあります。
血縁関係については何も書いてありません。子を育てようとする人を親と呼ぶのです。
ここまでのことを考えると
仏の心 = 大慈悲 = 人々を救う心 = 母親のような心
と言えます。そして
母親・親 = 悪を遠ざけ、善をすすめる
なのですから、
仏の心 = 悪を遠ざけ、善をすすめる
と、言い換えることができるかもしれませんし、これなら自分にも「仏の心」があるかもしれないと信じられる気がします。
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