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精進料理に学ぶ 丸茄子 

昨日の記事で講座「写経と精進料理」を紹介させていただきました。
※記事はこちらです。


600茄子の精進料理202105301



全福寺御住職の精進料理はどれも美味しいものばかりで、いつも有難くいただいています。


全ての料理がおいしいのですが、その中でも印象に残った料理について、講座終了後に質問をさせていただきました。


その一つが、





600茄子の精進料理202105302


お品書きに「丸茄子 ししとう 田楽味噌」と書かれたこちらの料理でした。


とても大きな丸茄子が、形が崩れることなく田楽味噌とししとうを支えています。



食べてみると、大きさや形からは良い意味で予想を覆されるほどとても柔らかく美味しかったです。


終了後に


「あの茄子は、なぜあんなに柔らかいのですか? そういった茄子の種類ですか?それとも料理方法ですか?」


と質問すると


「揚げた後に、蒸しています。そうすることで柔らかくなるし、余分な油も落ちて美味しくなります。」


と教えてくださいました。


この「揚げてから蒸す」という工程に驚くと共に、だからこそ形は崩れない強さがあるのに、中身はとても柔らかい素晴らしい食感になっていると納得することができました。


また、同時にこの茄子の料理に「坐禅」を感じます。


坐禅を表現する言葉に「安楽の法門【 あんらく の ほうもん 】」という言葉あります。




安楽とは「心身の苦痛や生活の苦労がなく、楽々としていること。」であり、


法門とは「仏の教への道」です。



つまり、「安楽の法門」と表現される坐禅とは「心も体も楽にしてくれる仏様の教えの実感方法」と言えるのです。



この言葉を初めて聞いたとき



「坐禅は足が痛くなるばかりで、全然気持ちよくならない! 何か安楽だ!!!」



と感じました。


しかし、実際に坐禅を続けていくと、しっかりと体を固めて動かない中に内部や心の柔らかさを実体験することができ、おぼろげながら「心も体も楽にしてくれる」を体感することができます。





先ほど紹介した茄子料理は一度揚げることで、崩れることがない周囲の強度を生み出したうえで、蒸すと言う工程で中を徹底的に柔らかくしています。


坐禅も足や背中などの型をがっちりと固めた上で、呼吸を調えることで体の中や心を柔らかくしていきます。


見事な茄子の精進料理と坐禅には共通するものがあるようです。
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No title

おいしそうです!新米和尚さんも精進料理作られますか?精進料理の思い出話、またお願いします。

コメントありがとうございます。

一般的に言われている「精進料理」と言われると難しいかもしれませんが、毎日の朝ご飯は私が担当をしています。

主食(ごはんやおもち)とみそ汁が基本的な献立になっているので、一見すると「精進料理」に見えるかもしれません・・・


「精進料理の思い出話」は思い出したときにぜひ書かせていただきます(^^)/
人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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