昔話シリーズ その30 竹取物語 【12:かぐや姫 富士山】
この記事は東光寺(静岡市清水区横砂)で行われてみんなの坐禅会(子供坐禅会)で私が話した内容をまとめたものです。

昔話シリーズ【30】 竹取物語 【12:かぐや姫 富士山】
竹取物語・かぐや姫の話しから学ぶことをまとめています。
これまでに
1:仏の光明
2:切った竹から金
3:仏様が使った食器
4:蓬萊の玉の枝
5:火鼠の皮衣
6:龍の首の珠
7:燕の子安貝
8:帝にも嫁がない
9:月に帰りたがらないかぐや姫
10:かぐや姫 月に帰る
11:かぐや姫と羽衣
と、紹介してきました。
※クリックすると記事をご覧いただけます。
今回は、竹取物語の最後の場面です。
かぐや姫が月に帰るとき、帝に手紙を書きました。
その手紙には不老不死の薬が添えられていました。
しかし、帝は月に一番近い山が駿河の国(今の静岡県)にあると聞くと、部下にこの薬を山の頂上で燃やしてこいと命令をしたのです。
それから、この山は「不死の山」と呼ばれるようになったのです。
これが今の富士山です。
なぜ帝は薬を燃やしてしまったのでしょうか。
私はこの行為がとても大切だと考えています。
実はかぐや姫はすでに多くの贈り物を帝に送っています。
それが、結婚を申し込んできた男達への宿題や、月からのお迎えと対峙したときの経験です。
それぞれの宿題などに意味がありましたが、共通して言えることは
生まれたときから頂いている尊い心を忘れてはいけないということです。
帝はかぐや姫が伝えようとすることを感じていたのです。
だからこそ、帝は不老不死の薬を燃やすことで、自分に私達には尊い心が備わっていることを教えてくれているのです。
最近は「宗教」という言葉が「気味が悪い」「嘘くさい」「インチキ」「よくわからないもの」として使われることがあります。
しかし本来は、宗教とは人間の根本の生き方を説くものです。
死なない方法でもなく、老いない方法でもなく、あくまでも「生き方」を説いています。
「死」をなくそうとしてもなくすことはできません。
だったら不老不死のために薬を頼るのではなく、今をどう切るのか。さらに、どのように生きていくかが大切だと教えてくれています。
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