昔話シリーズ その26 竹取物語 【8:帝にも嫁がない】
この記事は東光寺(静岡市清水区横砂)で行われてみんなの坐禅会(子供坐禅会)で私が話した内容をまとめたものです。

昔話シリーズ【26】 竹取物語 【8:帝にも嫁がない】
どんなにお菓子を作って誰かに渡したいと考えたとき、
味などは何も変わらないのに、豪華な包装紙に包むと美味しそうに見えるから不思議です。
でも、食べてみれば味は同じです。
当たり前のことです。
でも、忘れがちのことです・・・
竹取物語・かぐや姫の話しから学ぶことをまとめています。
これまでに
1:仏の光明
2:切った竹から金
3:仏様が使った食器
4:蓬萊の玉の枝
5:火鼠の皮衣
6:龍の首の珠
7:燕の子安貝
と、紹介してきました。
※クリックすると記事をご覧いただけます。
今回も、かぐや姫が結婚を申し込んできた男の話ではあるのですが、今回はこれまでと少し違います。
申し込んできたのが最高権力者である帝【みがど】なのです。
ものすごく力を持っている帝が結婚を申し込んできたのです。
帝はかぐや姫と結婚するために翁(おじいさん)に
「高い地位をあげるから、かぐや姫と結婚させてほしい」
と頼みます。
翁も帝の話を聞き、かぐや姫を説得しますが
かぐや姫は翁が名誉や地位にこだわる姿を悲しみ「無理に結婚させれば私は消え失せる」と言って、実際に消えて見せることで断ります。
禅の言葉に
無位の真人【むいのしんにん】
というものがあります。
真人とは仏様のような尊い心と表現されるものです。
無位とは「位【くらい】がない」と言うことです。
階級などないのです。社長でもなければ社員でもない。男や女といった区別もない。年寄りだとか子供といったこともなく、経験が豊かだとか初心者だとか、学歴があるとかないとか、裕福な家庭で育ったか貧乏な家庭で育ったかでもなく、金を持っているか持っていない、ありとあらゆく区別を離れた状態を無位と言います。
位などない仏様のような尊い心を無位の真人と言うのです。
そして、この無位の真人が誰にでもあると説いているのです。
まったく同じことを竹取物語が説いているのです。
地位に目がくらみそうな翁の姿を悲しみ、自分自身が消えてしまうことで、
地位がなくても大切なもの・心は存在するのに、地位を得ようとする・地位にこだわることで大切なものが消えてしまうことを説いているのです。
竹取物語のことを思い出そうとするときに、5人の男たちが無理難題を出される場面は印象的なので思い出す方は多いのですが、帝に結婚を迫られ姿を消してしまう場面は忘れられていることが多くあります。
しかし、この場面も非常に重要なところですので、無位の真人という言葉と一緒にぜひ覚えておいていただきたいと願っています。

昔話シリーズ【26】 竹取物語 【8:帝にも嫁がない】
どんなにお菓子を作って誰かに渡したいと考えたとき、
味などは何も変わらないのに、豪華な包装紙に包むと美味しそうに見えるから不思議です。
でも、食べてみれば味は同じです。
当たり前のことです。
でも、忘れがちのことです・・・
竹取物語・かぐや姫の話しから学ぶことをまとめています。
これまでに
1:仏の光明
2:切った竹から金
3:仏様が使った食器
4:蓬萊の玉の枝
5:火鼠の皮衣
6:龍の首の珠
7:燕の子安貝
と、紹介してきました。
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今回も、かぐや姫が結婚を申し込んできた男の話ではあるのですが、今回はこれまでと少し違います。
申し込んできたのが最高権力者である帝【みがど】なのです。
ものすごく力を持っている帝が結婚を申し込んできたのです。
帝はかぐや姫と結婚するために翁(おじいさん)に
「高い地位をあげるから、かぐや姫と結婚させてほしい」
と頼みます。
翁も帝の話を聞き、かぐや姫を説得しますが
かぐや姫は翁が名誉や地位にこだわる姿を悲しみ「無理に結婚させれば私は消え失せる」と言って、実際に消えて見せることで断ります。
禅の言葉に
無位の真人【むいのしんにん】
というものがあります。
真人とは仏様のような尊い心と表現されるものです。
無位とは「位【くらい】がない」と言うことです。
階級などないのです。社長でもなければ社員でもない。男や女といった区別もない。年寄りだとか子供といったこともなく、経験が豊かだとか初心者だとか、学歴があるとかないとか、裕福な家庭で育ったか貧乏な家庭で育ったかでもなく、金を持っているか持っていない、ありとあらゆく区別を離れた状態を無位と言います。
位などない仏様のような尊い心を無位の真人と言うのです。
そして、この無位の真人が誰にでもあると説いているのです。
まったく同じことを竹取物語が説いているのです。
地位に目がくらみそうな翁の姿を悲しみ、自分自身が消えてしまうことで、
地位がなくても大切なもの・心は存在するのに、地位を得ようとする・地位にこだわることで大切なものが消えてしまうことを説いているのです。
竹取物語のことを思い出そうとするときに、5人の男たちが無理難題を出される場面は印象的なので思い出す方は多いのですが、帝に結婚を迫られ姿を消してしまう場面は忘れられていることが多くあります。
しかし、この場面も非常に重要なところですので、無位の真人という言葉と一緒にぜひ覚えておいていただきたいと願っています。
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