昔話シリーズ その23 竹取物語 【5:火鼠の皮衣】
この記事は東光寺(静岡市清水区横砂)で行われてみんなの坐禅会(子供坐禅会)で私が話した内容をまとめたものです。

昔話シリーズ【23】 竹取物語 【5:火鼠の皮衣】
高校生の頃に”G-ショック”という丈夫なことを強調している腕時計にあこがれていました。
その後なんとかお金をためて購入した腕時計でしたが、本当に丈夫かどうか確かめたくなって学校の2階の窓から落としてみたらバックライトがつかなくなってしまったことがあります。
確かめなければよかったガッカリしたことを覚えています。
竹取物語・かぐや姫の話しから学ぶことをまとめています。
これまでに
1:仏の光明
2:切った竹から金
3:仏様が使った食器
4:蓬萊の玉の枝
と、紹介してきました。
※クリックすると記事をご覧いただけます。
今回も、かぐや姫が結婚を申し込んできた男に突き付けた難問について紹介をします。
前々回は「仏様が使った食器」、前回は「蓬萊の玉の枝」を紹介しましが、かぐや姫は結婚を申し込んできた別の男に「火鼠の皮衣」を要求しています。
火鼠の皮衣【ひねずみ の かわごろも】
火鼠とは火山の炎の中にある、燃え尽きない木の中に棲んでいるとされるネズミです。
この、火鼠の毛から織って作った布は、火に燃えず、汚れても火に入れると雪のように真っ白になるという特別なものだと言われていたのです。
その布で服を作れと言うのです。
言われた男はもちろん困ります。
なんとか、たくさんのお金を出して輸入された火鼠の皮衣と言われる美しい着物を手に入れてかぐや姫のもとへ駆けつけます。
かぐや姫は美しい着物を見て
「燃えないはずですので、火の中に入れてみてください」
と言うのです。
そこで、男が火鼠の皮衣と言われる美しい着物を火の中に入れると、あっさりと燃えてしまったのです。
もちろん、男はかぐや姫と結婚することができませんでした。
かぐや姫は本当に燃えない布が欲しかったのでしょうか?
布が欲しかったのでしょうか?
かぐや姫はおじいさん(翁)がお金持ちになっているので、お金を出せば買うことができるものを求めているようには思えません。
では、お金を出しても買うことができないものと何でしょうか。
仏教では私達が自分で作りだし自分を苦しめる煩悩を炎に例えることがあります。
かぐや姫が欲しかったのは煩悩の炎に燃やされることがない心だったのだと思います。
そして、その心はどこにあるのでしょうか?
もちろん、遠くにはありません。自分の中にあるのです。
坐禅や読経、日常の良い習慣によって、自分の中にある尊い心に気がつくことをかぐや姫も望んでいるのかもしれません。

昔話シリーズ【23】 竹取物語 【5:火鼠の皮衣】
高校生の頃に”G-ショック”という丈夫なことを強調している腕時計にあこがれていました。
その後なんとかお金をためて購入した腕時計でしたが、本当に丈夫かどうか確かめたくなって学校の2階の窓から落としてみたらバックライトがつかなくなってしまったことがあります。
確かめなければよかったガッカリしたことを覚えています。
竹取物語・かぐや姫の話しから学ぶことをまとめています。
これまでに
1:仏の光明
2:切った竹から金
3:仏様が使った食器
4:蓬萊の玉の枝
と、紹介してきました。
※クリックすると記事をご覧いただけます。
今回も、かぐや姫が結婚を申し込んできた男に突き付けた難問について紹介をします。
前々回は「仏様が使った食器」、前回は「蓬萊の玉の枝」を紹介しましが、かぐや姫は結婚を申し込んできた別の男に「火鼠の皮衣」を要求しています。
火鼠の皮衣【ひねずみ の かわごろも】
火鼠とは火山の炎の中にある、燃え尽きない木の中に棲んでいるとされるネズミです。
この、火鼠の毛から織って作った布は、火に燃えず、汚れても火に入れると雪のように真っ白になるという特別なものだと言われていたのです。
その布で服を作れと言うのです。
言われた男はもちろん困ります。
なんとか、たくさんのお金を出して輸入された火鼠の皮衣と言われる美しい着物を手に入れてかぐや姫のもとへ駆けつけます。
かぐや姫は美しい着物を見て
「燃えないはずですので、火の中に入れてみてください」
と言うのです。
そこで、男が火鼠の皮衣と言われる美しい着物を火の中に入れると、あっさりと燃えてしまったのです。
もちろん、男はかぐや姫と結婚することができませんでした。
かぐや姫は本当に燃えない布が欲しかったのでしょうか?
布が欲しかったのでしょうか?
かぐや姫はおじいさん(翁)がお金持ちになっているので、お金を出せば買うことができるものを求めているようには思えません。
では、お金を出しても買うことができないものと何でしょうか。
仏教では私達が自分で作りだし自分を苦しめる煩悩を炎に例えることがあります。
かぐや姫が欲しかったのは煩悩の炎に燃やされることがない心だったのだと思います。
そして、その心はどこにあるのでしょうか?
もちろん、遠くにはありません。自分の中にあるのです。
坐禅や読経、日常の良い習慣によって、自分の中にある尊い心に気がつくことをかぐや姫も望んでいるのかもしれません。
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