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昔話シリーズ その21 竹取物語 【3:仏様が使った食器】

この記事は東光寺(静岡市清水区横砂)で行われてみんなの坐禅会(子供坐禅会)で私が話した内容をまとめたものです。





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昔話シリーズ【21】 竹取物語 【3:仏様が使った食器】


お釈迦様が使った器を持ってきて!!

と言われたらどうしたら良いのでしょうか?

あなたならどうしますか?






竹取物語・かぐや姫の話しから学ぶことをまとめています。

これまでに
1:仏の光明
2:切った竹から金

と、紹介してきました。
※クリックすると記事をご覧いただけます。




今回は、かぐや姫が結婚を申し込んできた男に突き付けた難問について紹介をします。



かぐや姫の美しさが話題になると様々な男たちが結婚の申し込みにやってきます。


しかし、かぐや姫は結婚をしたいとは考えていない様子。


そこで、無理難題を男たちに言います。


その一つが


「お釈迦様が托鉢のときに使った器(佛の御石の鉢)を持ってこい」


と言うものでした。


この難題に取り組んだ男は、とてもずるい男でした。


探しに行くふりをして時間を稼ぎ、お寺に祀られている仏様の前に置いてあった器を拾ってきたのです。そして、その器を特別に用意したとてもきれいな袋に入れてかぐや姫へ差し出したのです。


しかし、かぐや姫はすぐにこの嘘を見破って男を帰らせたのでした。


この話は、外の袋を立派にしても中身がダメではどうしようもない。中身が大切だと教えてくれています。






では、この男はどうしたら良かったのでしょうか?


かぐや姫が求めた答えは何だったのでしょうか?


ここからは答えがない話であり、私の個人的な見解です。


私は男が普段から使っている器を出せばよかったと思います。


お釈迦様は仏教の最初の和尚様です。


仏教では「命あるもの、みんなに仏様(お釈迦様)と同じような尊い心がある」と説き、「その心に気がつきなさい!!」と説いています。


その心に気がついた人こそが仏様であり、お釈迦様なのです。


その心の状態で自分の使っている器を出せば、その器こそが かぐや姫が求めていた器なのです。




もちろん、尊い心に気がつくことは簡単なことではありません。


私達は普段の生活の中で、自分たちの中に尊い心があることを忘れ、忘れるだけでなくその心の周りに知識や経験、さらに時には偏見や思い込みなどを重ねてしまいます。


こうなると、本当の自分の心を見ることができなくなってしまいます。


このような状態から離れるために、様々な良い習慣があります。


坐禅も、もちろんその一つです。


ですから、「お釈迦様が使った器を持ってきて!!」と言われた男が時間稼ぎをした時間を坐禅の為に使っていたら物語の結末は変わったかもしれません。


 
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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