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ドップラー効果と坐禅

中学校の理科の授業でドップラー効果という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。


救急車などがサイレンを鳴らしながら走っていたときに、その音を聞いている人にとっては、救急車が近づいてくるときは音が高く聞こえ、遠ざかるときは低く聞こえるという現象を説明したものがドップラー効果です。


少し難しい言い方をすると


音源や観測者が動いている場合、実際の音と異なる音が観測される現象


と説明することができます。


600坐禅こまめ20210410


子供坐禅会を開催すると、しっかりと動かずに坐禅に集中できる小さい子供がいて驚かされることが多くあります。


同時に落ち着きなくグラグラと動き続ける子供もいます。私もその一人でした。


グラグラ動いてしまってはいけないので


「坐禅中は動いていけないよ」


と注意をすると、ときどき


「なんで?」


と聞かれます。そんな時に私はドップラー効果のことを思い出しながら話をするようにしています。





禅では「ありのままに見る」ことの大切さを説きます。


好き嫌いや損得で自分の都合で真実を曲げて見たいように世界を見るのではなく鏡のようにありのままに全てを映すことが大切なのだと説くのです。


そして、身体と呼吸を調え、調った心でありのままに見るのが坐禅なのです。


そんな「観測者」とも言える自分自身が動いてしまったら「ありのままに見る」ことはできるでしょうか。


心にもドップラー効果があるならば、残念ながらできません。


だからこそ、観測者の身体が動かいことは「ありのままに見る」ための第1歩となるのです。








そんなことを頭の中に置きながら、「なんで?」という質問に対して答えています。
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コメントの投稿

非公開コメント

なるほど!
納得です。
横山和尚様ならではの切り口、さすがだと感心しました。
有り難うございます。

コメントありがとうございます。

的外れなことを言っているかと思いますので
「そんなことを言っている人がいたなぁ~」
くらいの気持ちで読んでいただけると嬉しいです!
人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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