坐禅は心のワクチン

ワクチンという言葉をよく耳にします。
ワクチンという言葉の意味を調べてみると
病原体から製し、これを人体・動物体に接種して、体内にその病気に対する抗体を生じさせるもの。伝染病の予防に用いる。
病原体から作られた無毒化あるいは弱毒化された抗原を投与することで、体内の病原体に対する抗体産生を促し、感染症に対する免疫を獲得する。
と、書いてあります。
つまり、直接は害をおよぼさない程度の”毒”を体内に入れることで、自分自身の体を強くするのがワクチンなのです。
そう考えると、坐禅は心のワクチンなのかもしれません。
坐禅は
体を調え、呼吸を調え、心を調えます。
姿勢を正し、ゆっくりとした呼吸をすることで、心が調ってきます。
しかし、姿勢と呼吸を調えた瞬間に心がすっきりと調うわけでありません。
ゆったりと座ることで頭の中には様々な”想い”が湧いてきます。
湧いてきても、その想いに流されることなく受け流していくことで心が調ってきます。
現実の世界で苦しみやつらい出来事があった場合、”想い”だけでなく様々な刺激が私達を襲います。
嫌なことを言う人が目の前にいたり、直接的な害を及ぼすものがあります。
しかし、ゆったりと坐禅をすることができている時には、嫌なことを言う人や、直接的な害を及ぼすものは目の前にはありません。”想い”となってだけ現れます。この想いは自分自身の中にいますので、自分自身で対処することができ、対処することができれば、それは「心の抗体ができている」ということになります。
このように、嫌なことを言う人が目の前にいない・直接的な害を及ぼすものがないということは、直接は害をおよぼさない程度の”毒”を体内に入れることに似ているように感じます。
自分自身の体を強くするのがワクチンならば、心を調える坐禅は心のワクチンと言えるのかもしれません。
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