保育園の園児に伝えたこと 令和3年2月坐禅体験
東光寺(静岡市清水区横砂)の境内にある袖師保育園の園児たちは毎月坐禅体験にやってきてくれます。
そんな園児たちに少しずつ仏教の言葉などにも親しんで欲しいという思いから、いつも話をさせてもらっています。
2月は節分の話しをしました。
以下、園児たちに話した内容です。
~園児たちは節分のときに豆まきなどをしていますが、その際に”鬼”からの手紙を受け取っています~

節分にはみんなで豆まきをして鬼を退治しましたね。
なんで豆をまくか知っていますか?

昔から「魔を滅する力が豆にはあるから、魔である鬼に豆をまく」と言われています。
だからみんなは魔と言われる鬼に豆を投げたんだね。

そういえば、こないだの節分の前にも魔・鬼から手紙が届いていました。
覚えていますか。私はこの手紙はとってもすごい手紙だと思います。

手紙の最後の部分、ここにすごいことが書いてあるのです。覚えていますか。
そう、「観音山の鬼より」と書いてありました!!

観音山とはお寺の裏にある山です。
そんなに高さは高くありませんが、頂上にはみんなを見守って助けてくれる観音様が祀られている山なのです。
そして、この観音様を大切にお参りするために、毎月17日に和尚さんだけでなく、一般の方と一緒にお参りをずっと続けてきています。
そんな観音山に鬼が住んでいる!!
手紙を見て私はびっくりしました。
毎月1回はみんなで一生懸命お参りをしていても鬼が出てきてしまうのかと驚きもしたし、悲しかったです。
だからといって何もしないわけにはいきません。
観音山の鬼もやっつけなければいけません。
どうしたら良いのでしょうか?
やっぱり豆まきですね。
でも、それだけでは足りません。
どうしたら良いのでしょう?
実はその答えが手紙の中に書いてあるのです。

「こころのなかに わしのなかまが いるのがみえるぞ」
と書いてあります。
そうです。

鬼は観音山だけではなく、みんなの心の中にもいるのです。
だからこそ、みんなは節分のときに豆をまくだけでなく、豆を食べたと思います。
豆を食べて自分の中にいる鬼をやっつけたのです。
でも・・・
それだけでいい??
観音山はみんなで毎月お参りをしています。
毎月、きれいな心になるようお参りをしているのです。
でも、鬼が出てきてしまいます・・・

そんなに強くてすぐに出てきてしまう鬼なのに、みんなは1年に1回だけの豆まき・豆を食べるだけでいい?
毎日豆まきする?
毎日豆食べる?
あまり現実的ではありません。
でも、豆をまかなくても・豆を食べなくても鬼を退治する方法を私たちは知っています。
それが坐禅です。
静かに坐って、姿勢を良くしてゆっくりと息をすると自然と心がきれいになっていきます。
心がきれいになれば、自然と鬼はいなくなってしまいます。
毎日豆をまくことは難しいものです。
しかし、姿勢を良くしてゆっくりと息をすることはできます。
豆をまけなくて、豆を食べられなくて心配になることもあるかもしれません。
しかし、実は静かに坐ることは豆まきと同じくらいすばらしいことなのです。
ぜひ、これからも静かに坐って自分の中の鬼を消し去って、観音様と手をつないで毎日の生活をしていきましょう!!
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