寒松一色千年別なり その2
前回の記事で
寒松一色千年別なり 【かんしょう いっしょく せんねん べつなり】
野老花を拈ず万国の春 【やろう はなをねんず ばんこくのはる】
という禅の言葉を紹介しました。
※記事はこちらです。
寒松一色千年別なり
寒中に佇む一本の松が変わらぬ緑を保ち続ける姿は、昔から変わることなく私達を照らし続ける真理を表す
と、紹介しました。
松は「変わらぬ緑」とよく言われます。
しかし、松の葉はずっと緑なのかと言われれば もちろん違います。
枯れていきます。

松は緑だが、その中に枯葉もあります。
これは間違いのないことではありますが、ここに生死一如 【しょうじ いちにょ】を見出すのです。
生か終わって死が始まるのではなく、生はそのまま死である。
と、同時に死はそのまま生である。
生きている今を精一杯生き切ること、そして死に直面したら、力を抜いて死にまかせ切ること。
このことを松の「変わらぬ緑」の中に見出さなくてはいけないのです。