縦糸と横糸は 普段の生活と坐禅だと思う

私は音楽が苦手です。
歌を聞いてもメロディーと歌詞を一緒に聞くことができません・・・
メロディーを聞くと歌詞が頭に入ってきません。
歌詞を聞くとメロディーが聞こえません。
驚かれることもありますが事実です。
そんな人間ですので、結婚式のときに使用する音楽は妻に決めてもらいました。
妻が選んだ曲の中に中島みゆきさんの「糸」がありました。
このとき始めて歌詞を聞いたとき、驚き感動したことを覚えています。
縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布はいつか誰かを
暖めうるかもしれない
縦の糸はあなた横の糸は私
織りなす布はいつか誰かの
傷をかばうかもしれない
縦の糸はあなた横の糸は私
逢うべき糸に出逢えることを
人は仕合わせと呼びます
ご存じの通り織物は縦糸と横糸で織られています。
縦糸に横糸を組み合わせることで布が出来上がっていきます。
中島みゆきさんの「糸」は人と人との出会い・御縁を布のようだと見事に表現されていると感じました。
結婚式にふさわしい歌詞だと今でも思っていますし、この曲を選んでくれた妻に感謝しています。
最近、改めて「糸」の歌詞を見ているときに、縦糸と横糸の関係は坐禅と日常生活の関係にも似ているように感じました。
坐禅と言いましたが、宗教心や真心、大切な心、仏心、心とも表現できるかもしれません。
普段の生活の中で、坐禅・宗教心といったものを感じることは多くありません。
縦糸は織物の表に出ることはなくても重要な役割を果しています。むしろ縦糸がなければ織物を作ることはできませんし、完成した織物でも縦糸が切れれば大きなほころびとなってしまいます。
同じように私達たちを構成しているのは日常生活や日常生活を送るために知識や経験だけではありません。
縦糸のような「芯」となる部分に日常を編みこむことで私たち一人一人が構成されているのです。
私達はその芯となる部分を宗教心、禅、仏心、心などと表現をしています。
身体を調え、呼吸を調えることで心が調うことを実感するのが坐禅です。
坐禅をすることで心を調えたとき、自然と「芯」を見つめ直すことができます。
自分の「芯」を感じることは、自分自身の縦糸を感じることです。
縦の糸はあなた横の糸は私
逢うべき糸に出逢えることを
人は仕合わせと呼びます
自分自身の心と出会い、日常生活を送れることが幸せなのかもしれません。
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