オンライン坐禅会での法話 一般向け 仏教聖典 因縁3
臨済宗青年僧の会ではオンライン坐禅会を実施しています。私も時々ですが坐禅を担当させていただいています。
※オンライン坐禅会のホームページはこちらです。
その際に話した内容を備忘録として記しておこうと考えています。
オンライン坐禅会には一般の方向けの会と子供向けの会があります。
今回は一般向けの坐禅会で話したものを紹介させていただきます。
【一般向け:仏教聖典 因縁3 八正道】

お釈迦様の教えをまとめた仏教聖典にある「因縁」という項目を何回かに分けて御紹介します。
1回目:尊い教え はこちらをご覧ください。
2回目:四諦【したい】・四聖諦【ししょうたい】
今回は八正道を紹介します。
仏教聖典の「因縁」という項目の中で
この世は苦しみに満ちている。
苦しみの原因は煩悩である。
煩悩と苦しみのなくなった世界がある。
八つの正しい道によってその世界へ達する。
と、説いています。
この「八つの正しい道」を八正道【はっしょうどう】と言います。
“八つ”の正しい道がありますが、それを仏教聖典では
正しいものの見方
正しいものの考え方
正しいことば
正しい行い
正しい生活
正しい努力
正しい念い【おもい】、
正しい心の統一
と、説いています。別の表現方法で八正道を紹介すると
正見【しょうけん】
こだわりや思い込みをなくして、教えや物事を正しく見ること。
正思【しょうし】
様々な欲望から離れ こだわりや思い込みをなくして、教えや物事を正しく考え判断すること。
正語【しょうご】
悪口、嘘、怖い言葉などの悪い言葉を使わず、正しい言葉を使うこと。
正業【しょうごう】
殺すこと、盗むこと、裏切ることなどの悪い心を起こさず正しい行動をすること。
正命【しょうみょう】
正しい教えに従って生活をすること。
正精進【しょうしょうじん】
正しい努力を続けること。既に起こってしまった悪を反省し、これ以上の悪を起こさず、善い行いをする。すでに起こっている善い行いは大きくする努力をすること。
正念【しょうねん】
正しい心の落ち着きを保つことで、悪い心を離れて、正しい道、正しい教えを忘れないこと。
正定【しょうじょう】
正しい精神統一をすること。精神を集中することで、安定して迷いのない清浄な境地に入る。
と、なります。
昔から“終わり良ければすべて良し”という言葉があるように、最後の部分を大切にすることが多くあります。
(・・・もちろん、最初も途中も、そして最後も大切なのですが。)
そこで八正道の最後を見てみますと、
正しい心の統一
正定【しょうじょう】
とあるのです。
正定は禅定とも言われる、心の静けさを示しています。
心の静けさと言えば、もちろん坐禅です。
オンライン坐禅会で一緒に坐っていただいた、この時間こそが8つの正しい道の終着点と言っても過言ではありません。
もちろん終着点だからと言って、立ち止まるわけにはいきません。
心の静けさを保つことで、終着点が通過地点だったと気が付き新たな一歩を踏み出すことこそが“煩悩と苦しみのなくなった世界がある。”ことを実感する第1歩になると信じて歩んでいただければ、本日の坐禅がより尊いものになるのではないでしょうか。
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