オンライン坐禅会での法話【子供向け:東光寺は何個あるの?】

臨済宗青年僧の会ではオンライン坐禅会を実施しています。私も時々ですが坐禅を担当させていただいています。
※オンライン坐禅会のホームページはこちらです。
その際に話した内容を備忘録として記しておこうと考えています。
オンライン坐禅会には一般の方向けの会と子供向けの会があります。
今回は子供向けの坐禅会で話したものです。
【東光寺は何個あるの?】
先日、地元の小学3年生が調べ学習の一環として東光寺へやってきてくれました。
その際に、質疑応答の中で印象に残っている質問があります。それが、
「東光寺は何個あるの?」
というものです。
確かに“東光寺”という名前のお寺はたくさんあります。
ですから、何個あるの?と聞かれたときには
「いっぱいあるよ!」
と答えるようにしています。すると、
「なんでいっぱいあるの?」
と聞かれたりもします。そうなると、こちらは「よしよし!その質問まっていたよ!」と思うのです。
そして、以下のように伝えます。
「東光寺というお寺の本尊様が薬師如来だからです。」
本尊様とは、お寺の中心となる仏様のことです。
薬師如来とは病気に苦しむ人々を助ける仏様です。
そして、この薬師如来が住む世界が「東の光る世界」と言われているのです。
ですから、薬師如来がお参りできる場所であるお寺に名前を付けようと考えたとき
“東”の“光”の世界に住む仏様がいらっしゃる“寺”なので
→ 東光寺
となるのです。
そして、昔は今のように病気になったら病院へ行ってお医者様に診てもらうのではなく、病気が良くなるように仏様にお参りをすることが多くあったので、自然と薬師如来をお参りする場所が増え、名前を付けると自然と東光寺になったのです。
そして、その名前がそのまま残っているので、今でも多くの東光寺があるのです。
ここまで聞くと東光寺がたくさんある理由は分かってくれると思います。と、同時に
「どうやって薬師如来(仏様)は病気を治してくれるの?」
と感じるかもしれません。
今は病気に効く薬があるので、病気になると薬を飲みます。
薬を飲むと、薬が体の中に入っていって活躍をして体を元気にしてくれます。
薬師如来も同じです。
手を合わせてお参りをすると、私達の中の仏様が薬と同じように活躍をするのです。
ただし、薬と違うことがあります。
それは、薬は始め外にあって その薬を飲むことで体の中に入ってきます。
しかし、仏様は違います。私達が生まれたときから、私達の中にいてくれています。
そのことを坐禅会のときにいつもお唱えしている白隠禅師坐禅和讃というお経は
衆生本来仏なり
生きとし生きるものは 本来 仏様のような心をいただいている
と教えてくれています。
この仏様に気がつくことが大切であり、自分の中の仏様に気がついたとき、私達は心の病気などすぐになくなってしまうのです。
そのことを思い出し、忘れないために様々な習慣を受け継いで来たのです。
そのひとつが、仏様に手を合わせることなのです。
今回はぜひ、「東光寺というお寺の本尊さんは薬師如来」「仏様に手を合わせて、自分の中の仏様を感じることが大切。」
ということを覚えてくれたらうれしいです!!
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