横断歩道を渡る人を待てる人間になりたい

若者に比べてゆっくりと横断歩道を渡る高齢者に対して、少しでも早く渡ってもらいたいと思って、
横断歩道を渡っている高齢者の所へ行って
「さー、この筋トレをすると横断歩道を早く渡れるようになりますよ!」
と言って筋トレを教え始める人はいないと思います。
しかし、その高齢者を邪魔することなく見守ることはできるのではないでしょうか。
インターネット上で“ポテサラ事件”が話題になりました。
「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」の声に驚いて振り向くと、惣菜コーナーで高齢の男性と、幼児連れの女性。男性はサッサと立ち去ったけど、女性は惣菜パックを手にして俯いたまま。
私は咄嗟に娘を連れて、女性の目の前でポテトサラダ買った。2パックも買った。大丈夫ですよと念じながら。
という投稿が注目をされたのです。
これに対して様々な反応がありました。
私はこの投稿に登場する男性に対して
冷凍餃子を手抜きといい、あるいはポテサラくらい自分で作れという御仁、ガスで調理するなどという手抜きを見逃してはいけない。薪と炭を使ってこそだ。なお、薪割りと炭焼きは男の仕事だ。さあ、斧を買ってこい、耐火煉瓦で炭焼き窯を組め。いますぐだ。
という投稿が実に見事な返信で印象的に残っています。
しかし、「なぜキレる中高年が増えているのか」という筑波大学教授の原田隆之氏の記事を読んで、考え方が少し変わりました。
※記事はこちらです
この記事の中で
それでは、なぜこのような中高年による日常の「暴力」は起きるのでしょうか?第1に考えられるのが老化に伴う脳機能の変化です。それは、怒りなどの感情や不適切な言動を統制する機能の衰えです。
とはっきり書かれています。
つまり、加齢によって脳が衰えてしまっていると言うのです。
筋力の低下によって横断歩道を素早く渡ることができなくなった高齢者に対して、文句を言う人はダメな人間です。もちろん、筋トレを教えるのは有効かもしれませんが、時間と場所を選ばなくてはいけません。
だったら同じように、脳が衰えてしまった高齢者に対して反論(どんな正論だったとしても)をするよりも、
臨済宗妙心寺派の教えである生活信条にも
人間の尊さにめざめ 自分の生活も他人の生活も大切にしましょう
と、あるように相手を認めていくこと大切なのかもしれません。
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