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肩書を捨てた先にあったもの

先日、NHKのカラフルファミリーという番組を見ました。




あらすじ(NHKホームページより)
かつて女子高生だったトランスジェンダーパパ、彼を愛し子どもを産んだママ、そして、2人に精子を提供したゲイの親友。3人は一緒に子育てをはじめた。自分たちらしい家族のカタチとは?笑いあり、涙ありの子育ての記録。






つまり、女性同士(精神的には男性と女性)が結婚し、子供を授かるために夫婦を知るゲイの男性に精子を提供してもらい出産。そして、夫婦ではなく3人で子供を育てる家族の記録なのです。





短い広告を見たときに、衝撃的なことが多すぎて理解しきれませんでした。


番組を見てみると、子供を育てることに真剣に向き合う3人とその3人のそれぞれの親たちの姿に感動したり考えさせられたりしました。


どんな人でも子育てはいきなり上手くいかないものです。


この家族も、子育てについて悩む姿がしっかりと映し出されていました。


しかし、番組の最後に子供を産んだ女性の言葉が印象的でした。



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当初は生物学的な父親と、精神的な父親が共存して子育てをするために、妻は「お父さん」「パパ」と呼び方を変えていました。
 
 
しかし、その方法では上手くいかなかったことが考え方を変えることで見えてきたことを
 
 
「父親 お父さん パパっていう言葉を使わない方が私たちにはとても当てはまると思ってます。」
 
 
と表現されたのです。





肩書や、「夫・妻・お父さん・お母さん・父親・母親」と言った言葉に対して自分達が持っていた概念によって迷いや苦しみが生じていたのです。



そのことに気がつき肩書や固定概念を捨て去り、ただただ「子供の為に何ができるのか」を考えていったら自然と素晴らしい家族となっていたのです。



臨済宗の最初の和尚様である臨済禅師の教えをまとめた臨済録に


「無位の真人」【むいのしんにん】いう言葉あります。




これは私達の体には無位の真人があることを示す言葉です。


無位とは位がない、階級ないということです。


社長でもなければ社員でもない。男や女といった区別もない。年寄りだとか子供といったこともなく、経験が豊かだとか初心者だとか、学歴があるとかないとか、裕福な家庭で育ったか貧乏な家庭で育ったかでもなく、金を持っているか持っていない、ありとあらゆく区別を離れた無位の真人が誰の中にもいると伝えてくれているのです。





先ほどの家族も自分たちの中にあった固定概念を捨て去ることで迷いや苦しみから離れることができました。


この姿も「無位の真人」なのかもしれません。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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