昔話シリーズ その2 金太郎
昔話シリーズ【2】 金太郎

金太郎の話しをご存知でしょうか。
私は「まさかり かついだ~ きんたろ~」の歌くらいしか知りませんでした。
金太郎という名前は有名ですが、話の内容までは把握していない方もいらっしゃるかもしれません。
あらすじは以下の通りです
昔、足柄山の山に金太郎と母親が暮らしていました。金太郎は産まれた時からの力持ちで石臼をハイハイしながら引きずってしまうほどでした。
金太郎の身体が大きくなり力がついてくると、マサカリで薪割りをしたり、動物達と相撲をしたりして過ごすようになります。
そんなある日、動物たちと金太郎は栗拾いに行くことになりました。
しかし栗拾いへ向かう途中、崖にかかっていた橋がなくなっていました。
動物たちが困っていると、金太郎は近くにあった大きな木を力一杯押し倒して、橋をかけてあげました。
金太郎たちは橋を渡って、栗拾いを楽しみました。
この様子を見ていたお侍さんに金太郎は認められて坂田金時と名を改めて立派な武士になりました。
これが金太郎の話しです。
私は金太郎の話しには2つの大切な箇所があるように感じます。
1つは様々な動物と相撲をとるシーン
もう一つは、
橋が無くなったことに気がついたときに迷うことなく木を倒して橋を作ったところです。
どんな動物とも相撲をすることは仏教で大切にしている「差別しない心」を具体的に示してくれているように感じます。
さらに、橋がないことに気がついたときに、近くの木を倒して流された橋の代わりにすることは、こだわることなく「今できることを精一杯する」ことの大切さを教えてくれています。
仏教では「差別しない」や「今できることを精一杯する」をとても大切にしています。
これらを実践することで、その姿を武士が見ていた御縁によって金太郎は最終的には武士になります。
この部分も、「差別しない」や「今できることを精一杯する」といった仏教の大切な教えを実践する姿は、坐禅に一生懸命取り組む私達のことを示しているように感じます。
さらに、その様子を見ていた武士というのは、私達の様子を常に自分自身の中から見えている自分の「仏の心」を示しているように感じます。
ですから金太郎の話しは私達に
誰とでも相撲をすることで差別しない心を、近くの木を倒して流された橋の代わりにすることで「今できることを精一杯する」こと。さらにその姿を自分自身がいつも見ているからこそ、いつ見られても良いように生活することの大切さを教えてくれてます。

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