醤油とソイソース

「醤油を英語にするとソイソースと言います。」
と言われれば
「そうですね。」
と、納得します。
Soy sauce(ソイソース)
Soyは大豆、sauceはソースです。
大豆のソースということになります。
では、ソースとは何でしょうか。辞書で調べると
料理に用いられる中間的な製品、調味料で、液状、またはペースト状の物を総称する。
と、あるのです。
つまり
醤油 → ソイソース → 大豆ソース → 大豆ペースト
という変換が出来てしまうのです。
「大豆ペースト」と検索すると醤油とはまったく違うものが出てきます。
つまり、醤油というものを伝えようとしたら、いつの間に大豆ペーストという違うものになってしまう可能性があるのです。
私達がお唱えしている般若心経というお経は三蔵法師こと玄奘三蔵【げんじょう さんぞう】という和尚様が古代のインドで使われていたサンスクリット語で書かれたお経を漢字にしたものです。
ですから、般若心経の前半部分は漢字の意味を理解できる人なら、なんとなく意味を理解することができます。
しかし、最後の
ぎゃーてー ぎゃーてー はーらーぎゃーて はらそーぎゃーてー ぼーじーそわか
という部分の漢字
羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶
は、目を皿のようにして見ても意味が分かりません。
これは玄奘三蔵が漢文に訳さなかったからです。
理由としては
・仏さまの領域における秘密があり、多くの意義を含んでいて、インドにあって中国語に訳せる言葉がない。
・インドの古い慣用語のために訳せず、しかも最上にして尊いため訳さなかった。
と言われています。
では、この部分の意味が分からないのでしょうか?
実は、様々な本に日本語訳が掲載されています。
海外の方に醤油の素晴らしさを知ってもらいたいと考えたとき、
有無を言わせずに舐めさすることができれば、醤油の素晴らしが伝わります。
しかし、真っ黒な液体を口に入れることに抵抗を示されたら、
「大豆でできたソースです。」
と説明すれば、多少の違いはあるかもしれませんが、醤油の素晴らしさを伝える第1歩にはなるのではないでしょうか。
有無を言わず醤油を舐めるように、般若心経の最後の部分も一心にお唱えすることができれば問題ありません。
また、完全に伝えることができないとしても「大豆でできたソースです。」と言えば抵抗感を無くすことができるように
和訳を伝えながら
羯諦 羯諦 ・・・
と唱えることも大切だと思います。
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