脱け殻を見て声に気がつく

畑の草刈りをしてきました。
だいぶ長くなった草を目の前にして気持ちが折れてしまいそうになりましたが、相棒の草刈り機とともに作業を続けました。
作業も終盤を迎えたころ、草にセミの抜け殻がくっついているのが見えました。

「あ、セミの季節になったんだ」
と感じた瞬間にセミの声が聞こえてきたのです。
セミはそれまでも鳴いていたのです。
私がそれを感じることが出来ていなかったのです。
白隠禅師坐禅和讃というお経の最後に
当所即ち蓮華国【とうしょ すなわち れんげこく】
という部分があります。これは
今現在の自分が置かれている場所が、自分にとって最高の所
という意味があります。
何かに気がつくことで、今まで何とも思っていなかったこの場所が尊い場所だったと気がつくことの大切さを教えてくれている一節です。
脱け殻を見て声に気がつくことも、当所即ち蓮華国を実感する小さな小さな一歩なのかもしれません。