まずは毒矢を抜かなくてはいけない!!
箭喩経【せんゆきょう】というお経の中に「毒矢のたとえ」という有名な話があります。

毒矢に射られた男がいた。
周囲の人達は医者を呼ぼうとしたが、男は「この矢は誰に射られたのか。また、弓は何で出来ているのか。それが分かるまで矢を抜くな。」と言った。
という話しです。 この話しは最後に
自分にとって何が第一の問題なのかを知って、自分の心を調えることが大切であることを説く教えです。
と、書いてあります。
初めてこの話を聞いたとき、
「毒矢が刺さったら 誰でも抜くでしょ!そんな人いるわけないじゃん!」
と思っていました。
しかし、昨日“そんな人”に出会ってしまいました!!
“そんな人”は、ずばり私だったのです。
私は臨済宗青年僧の会が主催するオンライン坐禅会を手伝わせていただいています。
ホームページの管理もやらせていただいています。
昨晩のオンライン坐禅会が始まったときに他の事務局員から
「ホームページ上のカレンダーが表示されない」
との報告を受けました。
カレンダーが表示されないと、参加者はオンライン坐禅会に参加することができません。
大きなトラブルです。
確認をすると、私のパソコン・タブレット・スマートフォンは問題なく表示されています。
連絡をくれた事務局員もパソコンでは表示されるけど、スマートフォンでは表示されない。でもパソコンで参加できるから大丈夫ですと言うのです。
そして、オンライン坐禅会の参加者を見てみると、いつもと同じくらいの人数が参加してくれていました。
私はこれらの事柄から、大きな問題はないと判断し
「じゃぁ、原因はなんだろう?」
と考え始め、原因究明を始めました・・・・
しかし、翌日の朝 いつも参加してくれている方から
「カレンダーが表示されなかったので坐禅会に参加できませんでした」
との連絡をメールでいただいてしまったのです。
私はそのメールを見たときに今回の私の動きは、毒矢に射られた男そのものだったと感じました。
本当に大切なことを見失い、原因を探ろうとしてしまったのです。
毒矢に射られた男も、毒矢に射られながらも手が動き、足が動き、頭が働いたのでしょう。だからこそ本当に大切なことを見失ってしまったのかもしれません。
私も不具合があると連絡を受けたのに、自分の端末は正常に動き、他の事務局の端末もなんとか動いたので、「参加できない方がいるかもしれない」と本来ならば気がつかなければならないことを見失ってしまったのです。
「毒矢が刺さったら 誰でも抜くでしょ!そんな人いるわけないじゃん!」
そう考えていた過去の自分に伝えたい。
「毒矢に射られたのに、抜かずに原因を考えようとする人はいる、だからこそお経として残されているし、自分の心を調えることが大切なんですよ」
と!!
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