子供坐禅会に参加した子供が大人になっていた

東光寺(静岡市清水区横砂)で私が子供坐禅会を始めてから9年になります。
初めての開催日に来てくれたのは3人でした。
そんな子供坐禅会に、1人の小学生の女の子が参加をしてくれました。
なぜか女の子は坐禅会にはまって同級生を誘って次の日も参加してくれました。
さらに別の日には近所の年下の子供達も誘ってくれたり、彼女に誘われて参加者がさらに知人を誘ったりと少しずつ参加者が増えていきました。
彼女のおかげで東光寺子供坐禅会の基礎は作られたと私は思っています。
私は心の中で勝手に彼女たちの世代を「初期メンバー」と呼んでいます。
そんな初期メンバーもこの春、高校を卒業します。
春の子供坐禅会に参加し、進路を伝えてくれる初期メンバー達もいます。
彼らの成長した姿を見ることができて本当にうれしく感じます。
社会に出る人、大学へ進学する人、進路はそれぞれ違うようです。
しかし、彼らには共通している部分があります。
それは、
・坐禅を体験したこと
・お経(般若心経と白隠禅師坐禅和讃)が経本無しで読めるようになったこと
・宗教に触れたことです。
“宗教”というと「なんだか気味が悪いもの」「変な人の集団」というイメージがついてしまっている方も少なくありません。
たしかに“宗教”を自称し、私利私欲の為に人々を騙すような人間もいます。
しかし、宗教とは本来、人間の根本の生き方を説くものです。
「宗教」という文字を分解すると「宗」の「教え」となります。
「宗:むね」は、「おおもと」や「根本」を指す言葉です。
「教え」は、教えであり、生き方と言えます。
「なんだか気味が悪いもの」ではなく「変な人の集団」でもありません。
長い時間をかけて伝えられた人間の根本の生き方を説いた教えなのです。
この大切な教えを体験するのが様々な宗教行事です。
もちろん子供坐禅会もそのひとつです。
一見すると、坐禅会に参加したからと言って目に見えた成長をするわけではありません。
しかし、こういった経験こそが長い人生のなかで、くじけそうになったとき、自分自身の生き方に悩んだときなど苦しいときなどに蔭ながら自分を支えてくれるものになるのです。
彼らが何かに苦しんだり悩んだりしたときに、ふと姿勢を正して静かに坐って呼吸を調えてくれることを願っています。
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