映画 “ちょっと今から仕事やめてくる”に登場する社訓がすごかった

“ちょっと今から仕事やめてくる”という映画を見たことがありますか。
福士蒼汰さんが主演を務め、工藤阿須加さんや黒木華さん、吉田鋼太郎さんなどご豪華な俳優陣が出演する映画で、ブラック企業にこき使われて疲れ切った青年が小学校時代の同級生と名乗る青年に助けられて仕事をやめる話です。
このようにあらすじを紹介してしまうと味気ないのですが、私はこの映画を見たとき思わず感動の涙を流してしまいました。
・・・内容をここで紹介できないの残念ですが、興味のある方はぜひご覧ください。私は共感する場面が非常に多かったです。
感動をしたことと同じくらい印象に残っているのは高圧的な態度の上司の言葉です。
この映画では吉田鋼太郎さん演じる青年の上司が徹底的に部下に対して高圧的な態度で接し続けていくシーンが多く出てきます。
様々なブラック企業の要素が出ているシーンがありますが、印象的な言葉は主人公が勤務する会社の社訓です。
・上司の指示は神の指示
というすごいものもありますが、
心なんて捨てろ 折れる心がなければ耐えられる
という言葉が出てきます。一見すると正しいそうなのに見事に間違っている言葉で、ブラック企業をブラック企業に見せるための言葉のように感じました。
無心
↓
心が無い
↓
心なんて捨てろ
と解釈しているようですが、本来は禅の言葉である無心【むしん】には
とらわれ、はからいなど、心にかかるものが全くないこと。無礙自在なはたらきを生み出す、透明な境地。無心であることを忘れたところに真の無心がある。
と禅語を紹介する本には書いてありますし、
以前、このブログの記事 「無心」とは「フリーマインド」
※記事はこちらです。
でも紹介させていただいていますが
昭和から平成にかけて活躍をされた臨済宗の禅僧であり、臨済宗東福寺派の管長を務められた福島慶道老師は「無心」という言葉を「ナッシング マインド」と訳した人がいると聞き
「無心とは ナッシング マインド ではなく、フリー マインドである。」
と言われたそうです。
心が無いのではない、自由自在な心・とらわれのない心があり、
折れる心がなければ耐えられるのではなく、自由自在な心だからこそポキッと折れることがなく過ごすことができるのです。
映画の中で登場する「心なんて捨てろ 折れる心がなければ耐えられる」という印象的な言葉は逆説的に“無心”の本来の意味を、映画を見ている人々に伝えているよう感じました。
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